カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン1 Ep5 感想 ~ 最後に、より重大な汚職が発覚! Netflix

BBCの名作クライムドラマ「ライン・オブ・デューティ 汚職特捜班」シーズン1(2012)最終回“The Probation”です。前回のあらすじはこちら

 
 
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スティーブを助けたのはゲイツでした! ケイトも駆けつけます

前回の最後、犯罪グループに拉致され拷問された、汚職特捜班AC-12 のスティーブ・アーノット(マーティン・コムストン)。

汚職捜査の対象で、スティーブとは敵対していたトニー・ゲイツ警部(レニー・ジェームズ)がサイレンを鳴らして戻って来ます。

ジャッキー殺人犯はゲイツだと確信していたスティーブは自分を殺しに来たと思ったようですが、ゲイツはスティーブを助けに来たのでした。警官としてのギリギリの良心ですね。ライアンを手錠で建物に留めて姿を消します。

 

逃げながら車中で苦悩するゲイツの表情からは、何か心を決めたように感じました。

 

いっぽうスティーブと連絡がとれない同僚のケイト(ヴィッキー・マクルーア)は危機を察知、ゲイツのオフィスに押し入ってPCから情報を調べ(おそらく、ずっと調べていた地図の場所ですね)警官たちとともに駆けつけます。間に合うか! とドキドキしました。

スティーブはゲイツのことはまだ話しませんが、冷凍庫を調べ、遺体があったことを突き止めます。ゲイツは殺人に無関係かもと考えを変えたようですね。彼には殺せないとつぶやいてました。

 

尋問で子供相手に巧妙に情報を聞き出します

よくこんなに憎たらしい子役を見つけてくるなと感心します。「GOT」ジョフリーに匹敵する憎まれ役となったライアン・ピルキントン(グレゴリー・パイパー)です。かなり重要な役まわりでした。

 

ライン・オブ・デューティ名物、尋問シーンは食えない子供が相手です。ソーシャルワーカー達が同席するなか、的確に容赦なく事実を確認するケイトの口調が冷静でいいですね。トミーのために携帯電話を調達したこと、ゲイツがスティーブを助けたことなどを聞き出しました

 

取り調べの後は、前半で登場していた制服警官二人が家まで送っていきます。男性警官のサイモンが名刺を渡していつでも電話をして、と言う。ライアンも受け取ります。ドラマでよくあるシーンですが、こういう地道な警察組織を描くことってやっぱり大事だと思います。

 

スティーブはゲイツと密談、トミーを追います

ナイジを通してゲイツと会ったスティーブは、犯罪組織のボス、トミーをつかまえるから見逃せと言われます。

ゲイツはようやく詳細を話し(すぐに信用されないのは承知のうえでしょう)スティーブと共闘することになりました。もちろん平和的にじゃありません。和解は無し。追いつめられた心理が伝わってきて、後半は息苦しくなるような展開です。

話のなかで、誰かがグリーク通りの監視を外させたことが指摘されました。前回、腹心のドットは「ゲイツに帰るよう命令された」と言いましたから矛盾しています。嘘をついているのはどっちなのか? が気になるところ。

 

AC-12のチームは、ライアンが調達したたくさんの携帯電話を調べ、トミーらしき人物をキャッチ。ゲイツと共同で追うことになりました。

 

ついにゴルフ場で見つけたトミー(ブライアン・マッカーディ)は中年の白人男性。ゴルフ好きとは意外でした。が、前にゲイツの部下マシュー“ドット”コッタン(クレイグ・パーキンソン)が「昔は荒れていたがバイト先のゴルフクラブである人に救われた」と話していまして、え!? まさか!! と思う瞬間です。

犯罪組織とつながっていたのはドット??

 

ゲイツが車中でトミーを尋問、自供を引き出しました!

トミーを逮捕したゲイツは、スティーブ達を待たずに車で出発してしまいます。ここで盗聴機が活躍していました。

 

少し前、行方不明のゲイツに代わって麻薬殺人事件の捜査に加わったのは、スティーブの天敵、前の上官オズボーン警部(アリザー・ソーンことオーウェン・ティール)。 テロ対策チームの狙撃失敗事件(正しくは無実の人を間違えて狙撃した事件)について言質をとろうと盗聴器を身に着けて話をしますが、これは失敗に終わります。

 

ですがスティーブは盗聴器をゲイツに渡していたみたいです。ゲイツがとっさに思いついたのかは定かでありませんが、トミーとの話を警察無線で、あとを追うスティーブ&ケイトの車に流します。ゲイツは盗聴器で、スティーブ達は携帯でも録音していたみたいです。

 

ここが最も緊迫したシーンでしたね。ゲイツvsトミーの尋問です。逃げる交渉や証拠を巡って激しいやり取りが続き、ついに自分の命令で殺したと認める発言をします。これは完璧な自供ですね!

 

ゲイツの処遇が気になりますが、果たして?

自供がとれてトミーを逮捕したスティーブ達。ですが、ゲイツはスティーブに「殉職だったと証言してくれ」と頼み、トラックに飛び込んで自殺してしまいます。

 

びっくりしました。最後に亡くなるとは。

トミー追跡の前、娘たちと会ったときにこれが最後と決心していたのでしょう。

ゲイツは「殉職でないと妻や娘には何も支給されない」とスティーブに話したので。

 

懲戒免職になったら何も出ないでしょうから、ゲイツはそれだけは避けたかったはず。どこかもっと早い時点で話しておけば、と思いますが、スティーブへの対抗意識もあって事態はどんどん悪化して止められなくなってしまった。

エリート警官として降格や処分も我慢できない、何とか元に戻りたかったのでしょう。多重摘発を認めていたら、一時的には不名誉ですがまだ挽回のチャンスはあったかも。家族と暮らすことはできたかも。

 

追いつめられるゲイツの心理と家族との関係。推理や分析を重ねても誰かが嘘をつく、あるいは邪魔が入りまた遠回りになる。そんなリアルな重さをたたみかけてくるようでした。謎解きの説得力は、背景にある人間心理なのですね。

 

トミー達は最初からジャッキーとゲイツの関係を利用するつもりだったかも。ジャッキーはいずれ利用するつもりでお金を出したのでしょう。ゲイツがつけ込まれたのは、自信家だったからかもしれません。

 

 

 

重い展開でしたが、その後についても知らされます。

●ゲイツの遺族には殉職手当と恩給が支給されます。

●トミーとドットはやはり仲間でした。免責と引き換えに口裏を合わせ、証拠は採用されませんでした。必死で録音した自供ですよね。。

●したがって、麻薬の売人3人とジャッキー殺人事件は未解決のまま。

●汚職捜査は証拠不充分で打ち切りになりました。

●テロ対策班の狙撃事件の審問でスティーブは証言しましたが、責任を問われた者はいませんでした。

 

残念ですが、これもリアルだと思います。タイトルの“執行猶予”はこういう苦い結末のことだったのでしょうか。未解決の問題は、この後のシーズンにもつながります。

もっとも制作のジェド・マーキュリオによると、シーズン1フィナーレではシーズン2は決まっていなかったそうです。最近の再放送の際にこんなツイートをしていました。

 

家に帰ったケイトに夫と子供がいたことも(想像していなかったので)なかなかの衝撃でした。

シーズン2は全6話、さらにパワーアップします。

 

#3

 

 

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