カノンの海外ドラマ漂流記

気ままな海外ドラマ中心のブログです。ネタバレ記事中心です。

ドラマ「リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ」Ep7 感想 ~ 最後の大一番は、ロンドンでのテロ計画

第7話の日本語版副題は「危険な独り芝居」。ここから最後の重要・新キャラ2名が登場、まずはチャールズ・ダンス様です!

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

The Little Drummer Girl(@drummergirlshow)がシェアした投稿 -

一気に重厚に引き締まりますね。「GOT」タイウィン・ラニスターはじめ、多くのドラマ・映画で悪そうな大ボスといえばこのお方。英国情報部のトップでございます。

一方、チャーリー(フローレンス・ピュー)は、パレスチナの軍事訓練キャンプからイギリスに帰国します

目標は、ロンドンの大学での爆弾テロでした

前回、パレスチナのテロ組織、サリム/ミシェルの家族ファティメからも信頼されるようになったチャーリーは、任務を与えられて帰国。舞台は1979年です。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

The Little Drummer Girl(@drummergirlshow)がシェアした投稿 -

テロに対する報復爆撃で幼い友人を亡くしたチャーリーです。

自分たちと同じ生活があり家族がいるパレスチナの人たち、戦わなくてはいけない人たち、でもギャディがいるイスラエルのこと、祖国イギリスのこと、自分の本分は何・・・? チャーリーにとって、たくさんの事を考えた一か月だったと思います。 

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

Florence Pugh(@florencepugh)がシェアした投稿 -

ミシェルの姉ファティメとの別れはつらかったですね。変装し、イモージェンという名のパスポートで帰国します。

 

ファティメは、弟サリム/ミシェルと同じことを言いました。

パレスチナ人は、存在するためだけに世界にテロを見せつけなきゃならない。敵が報復してきたら何度もやり返す」

ニュースを見ても、いつも、どうにかならないのかと思います・・・。

f:id:kanon221:20200824204301j:plain

IMDbより。© 2018 AMC/IMDb

冒頭のサリム/ミシェル(アミール・ホーリー)。「アルナクバ」(大惨事)は、1948年、イスラエルが建国のためにパレスチナを攻撃、人々を追いやったことを指します。

 

 

 

 

今回のテロは、このパレスチナにとってのアルナクバ=イスラエルにとっては建国記念日である5月15日に決行されることとなりました。

ギャディが言ってました。「現実が劇場だ。(テロの首謀者)ハリールが興行主だ」と。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

The Little Drummer Girl(@drummergirlshow)がシェアした投稿 -

苦い現実ですね。

 

ところでモサドのマーティ(マイケル・シャノン)達は、イギリス情報部に協力を求めに行きます。これがまたクラシックで素敵なお屋敷でした! ここで、情報部のピクトン部長(チャールズ・ダンス)と政治的な駆け引き、嫌味を言い合いながらも協力を取り付けます。

f:id:kanon221:20200824211426j:plain

IMDbより。© Dean Marsh/The Ink Factory

チャールズ・ダンスは47年のデイル・ヤシーンの事件を話していましたね。厳しい尋問に屈しなかったイスラエルの少年のことを思い出し、きっと大人たちは彼の純粋さを利用するだろうと思った。翌年イルグン達がパレスチナの村で虐殺を行った、と。アルナクバの悲劇は解決できない遺恨を残し、自分たちも当事者だった、だからといって片方に肩入れもできないという意味だったのかもしれません。

 

アーサー・バルフォアの話もでました。第一次大戦中にシオニズムを支持したバルフォア宣言の人ですね。

こういう事実を積み重ねることで(省略しないことで)深みを増していくのでしょう。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

AMC Networks(@amc_tv)がシェアした投稿 -

 

チャーリーはテロ組織の協力者、ヘルガやロッシーノと行動を共にします。接触したチャーリーとギャディにとっては、苦い再会となりました。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

The Little Drummer Girl(@drummergirlshow)がシェアした投稿 -

マーティ達は、チャーリーが洗脳されて完全にテロ組織に取り込まれたかもしれないと疑っています。信じたくないギャディは、「ブレスレット(の代わり)」をつけていたと言いますが、確認する術がないまま、テロの実行日が近づいていきました。

 

ついに姿を現したテロの首謀者、ハリール

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

The Little Drummer Girl(@drummergirlshow)がシェアした投稿 -

威圧的なところは無く、思慮深く、冷静で、恐ろしく頭がよいハリール(Charif Ghattas)。サリム/ミシェルやファトメが心から愛し、尊敬した長兄で、爆弾作りの天才です。おだやかで吸い込まれるような瞳が独特ですね。いや、テロリストなんですが。

ついに、イギリスでチャーリーを導く首謀者として登場します。

 

演じるCharif Ghattasは、レバノン生まれ、フランス育ち。俳優としてより、劇作家・脚本家・監督として有名だそうです。とても重要な役で大きなインパクトを残しました。

 

 

 

 

このハリール×チャーリーのやり取りが、最後の諜報合戦の大きな山場となるわけです。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

Florence Pugh(@florencepugh)がシェアした投稿 -

↑は、イモージェンの変装をしたチャーリーとハリールのもちろんオフショット。ハリールの表情がなんとも・・・。

 

用意周到なハリールと嘘をつき通すしかないチャーリーのやり取りは見ごたえがあります。

絶対に言ったことを訂正するな」というギャディの教えを思い出しながら生き延びるチャーリー。

弟思いだけどシビアなハリールとチャーリーは、家族のこと、大義のことを話し、少しずつお互いを理解し、信頼していくことになります。

 

しかもサリム/ミシェルの時と同じで、ハリールの仕草がギャディと重なる映像が度々現れるんです。

最後、テロに向かうチャーリーに「やめても構わない。今なら元の暮らしに戻れる」とギャディと全く同じことまで言う。チャーリーも「大丈夫、祈ってて」と同じセリフで応えます。

 

テロの行方とともに、不思議な高揚感をともなうチャーリー×ハリールから目が離せなくなった第7話でした。次回、完結します!

 

 

↓まとめました

kaidorakanon.jp

f:id:kanon221:20200823140958j:plain

IMDbより。Photo by Nadav Kander/AMC - © 2018 AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.