カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン3 Ep3 感想 ~ ダニー、ドット、デントン事件が三つどもえで展開! Netflix

とっても展開の早いシーズン3!

第3話「Snake Pit」では、進行中のダニー・ウォルドロン事件に加え、シーズン1で明らかになった汚職警官と犯罪組織の仲介役 “キャディ” 問題、シーズン2のリンジー・デントン再審までが新展開。目まぐるしく進みます!

おなじみロンドン警視庁の汚職特捜班AC-12のメインキャストはこの3名。詳しいキャスト紹介はこちらへどうぞ。

 

 

①虐待を受けていた少年時代のダニー。チームでは、ハリがキーパーソンに

 

第1回で衝撃の最期を遂げたダニー・ウォルドロン巡査部長(ダニエル・メイズ)のチームから、第2回ではさらにロッド・ケネディ巡査まで亡くなってしまいまして、自殺か他殺か捜査中。

 

そして、ダニーが犯した2件の殺人は、やはり少年時代と関わりがあることが判明しました。

サッカーチームの写真、子どもの頃の施設を探したAC-12スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン)は、サンズビューという身寄りのない少年の施設で虐待を受けていたということを突き止めます。

 

少年サッカーの写真がフォーカスされたときに、ひょっとしてと思ったひとは多かったはず。しかも大掛かりで陰惨なお話でした・・・。

決め手になったのは、同じ時期に施設にいたジョゼフ・ナッシュ。重い口を開いてくれました。

●ダニーが殺したサイラス・マーフィは管理人。甥のロナンと2人ともチームの世話役のような立場で、有力者たちに少年を斡旋していた

●更衣室や地下室、ホテルや別荘などのパーティで性的虐待を受けていた。

●当時の市議会議長デイル・ローチが関与している可能性あり。ただし昏睡状態で話は聞けず。

●ナッシュ達は、教師・福祉担当者・警察にも話したが無視された・・・。

 

 

 

 

つい20年前のことですよ。行政部門が関係しているなんて大事件です。

ニュースでも子供に対する虐待事件が増えた気がします。

「LAW & ORDER: SVU」を見ていつも思うのですが、日本でも性犯罪や子どもに対する犯罪はもっと厳罰化してほしい。子供が被害者になる事件への意識というか、社会みんなで守らなくてはという危機感がすごいなと思うんです。それだけ犯罪も多いとも言えるのでしょうが・・・。

そこで組織的に理論的に法的に正しく機能させようと奮闘する人たちがいるというのは心強い。そんなことを教えてくれるのもクライム系ドラマだなあと思ってしまいます。

 

で、今も苦しみながら泣きながら明かしてくれたナッシュがまた、一見コワモテの工場労働者なんですが、幼い娘に慕われている様子が泣けました。

スティーブ・アーノット君、僕たちが調べる! ときっぱりナッシュに伝えましたからね、大きな事件になりそうです。

AC-12トップのテッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)は、 なんで今その事件? と一瞬戸惑いましたが「警察は彼らの訴えを無視したんです!」というスティーブの熱意に納得。警官の不正をただすことが使命ですからね。ダニーの背景をさらに調べることになりました。

 

そして武装警察のダニーのチームでは、動揺するジャッキーをなだめるハリ。潜入中のAC-12ケイト(ヴィッキー・マクルーア)もスティーブもハリを監視中。公衆電話から謎の男に電話をしたり怪しい動きがありました。

 

耐えられなくなったジャッキーは、ダニーの死について正直に証言します。ダニーが銃を取り出したとき、その場にいたのはハリだけ。ハリによると、ダニーがハリに銃を向けたのでハリがダニーの銃を奪おうとし、ジャッキーとロッドが駆けつけてもみ合いになり銃弾が出たといいます。つまりダニーは自殺ではなかった

さらに、最初の被疑者ロナン・マーフィをダニーが殺したこと、全員で虚偽の証言をしたことも話し、相応の罰を受けることになりました。

そして出てくる証拠はハリに不利なものばかり

でもロッド殺害容疑で警察がハリの家に向かったとき、本人はのんきに子供用のおもちゃの家?を工作中でしたからね。自分の立場をまるで分かっていない様子で心配です。

 

②リンジー・デントン、再審で釈放されます! 狙いは復讐か

後半からまた徐々に不気味さが増すリンジー・デントン(キーリー・ホーズ)シーズン2で、汚職警官として証人殺害に関わったとして有罪判決を受けましたが、控訴。

入念に調査・準備のうえリハーサルを繰り返して臨みまして、司法妨害では有罪ながら殺人共謀は無罪を勝ち取りました!

 

法廷シーンは迫力でした。裁判官も検察も弁護士も被告もみんな女性でみんなキリッと格好いいんです。検察VSデントンがメインですが、シーズン2のあれこれを思い起しながら、え、そうだったの? そうとも言えるか! と一緒に悩んでしまいます。

 

法廷も「ライン・オブ・デューティ」名物、インタビューシーンの一つでしたね。

①スティーブと性的関係をもった ②賄賂金はスティーブが仕組んだ を繰り返し主張し、可能性ゼロではないかも、と陪審に思わせたら成功です。

もちろんストレートに主張し続けるのではなく、時に狼狽したり、遠回しに匂わせたりのセリフが素晴らしく、どこまでが演技なのか本気の供述か分からない不気味さを堪能できました。

最後は、 スティーブに「(刑に服していた)585日間、毎日この日を夢見ていたわ。許してあげる」って、絶対嘘です。相変わらず目が怖いですもん。

 

③ついに “キャディ” ことドットが動き始めました!

 

第3話で何といっても気になるのはドットです! 本名マシュー・コッタン警部補(クレイグ・パーキンソン)。飄々とした憎めない俳優さんで、大ファンになっちゃいましたよ。

犯罪組織と汚職警官組織の仲介役 “キャディ” として長年活動してきましたが、いよいよAC-12が迫ってきたのでしょう。これまで以上に怪しい動きをする描写が増えました。

ロッドの事件を自殺に誘導しようとしたり、ケイトに打ち明け話をして取り込もうとしたり、ハリに電話をしたり!

そう、ハリにプリペイド携帯を届けてメッセージを送っていたのはドットでした

 

酒とギャンブルに溺れた過去があるらしく、馬券売り場の前で逡巡していたのはストレスが強くなっている証拠。最後には、部屋中に置いているプリペイド携帯が一斉に鳴り出して辛そうでしたから、追い詰められているのは間違いないでしょう。

 

その理由の一つは、デントンが釈放されたこと。呆然とした表情でニュースを見ていましたからね。窮地に陥っているのはスティーブだけじゃないってことです。トミー殺害事件が蒸し返されるのは確実です。

 

AC-12はトミー事件と同じく、プリペイド携帯を根気よく調べていますし、いま関わっているダニーの事件も関連があるということでしょう。

 

そして、ハリを呼び出し逮捕させたのもドットでした。

ハリに逃げるよう連絡し、ロッドの遺体が見つかった倉庫におびき出し、自分で自分を殴ってハリに暴行されたと訴えます! 一瞬で大きく展開して驚きました。

 

このとき、警察にはこの倉庫に向かうように仕向け、ハリには自分や組織をどこまで知っているか巧妙に聞き出し、駆け付けた警官たちに逮捕させたのでした。

この一連のシーンは緊張の連続で面白かったです!

 

ハリの返事次第では殺すつもりだったのでしょうね。ロッドと同じロープが下げられていて、自分が準備した仕掛けをハリが用意していたものだと信じさせてしまいました。

ハリも警官ですから、いかにはめられたと主張しても証拠が無いと話にならないことは分かっています。

 

シーズン2で、“キャディ” は死んだ警官コールだったということになりましたからね。次回、ドットが意外な作戦にうって出ます!

 

 

 

 

ところで・・・新キャラのお話です。

意外に(?)マメなスティーブ・アーノット君には、警官のガールフレンドがいます。シーズン3からはレギュラーとしてサム(アイーシャ・ハート)が登場。

演じる Aiysha Hart は1990年ロンドン生まれ。ロンドンと中東で育ち、 キングスカレッジ・ロンドン卒業。英国中心に映画・ドラマで活躍中のエキゾチックな美人です。うまくスティーブを支えてくれるといいですね。

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