カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「サンディトン」感想 ~ やっぱり楽しい、面白いジェーン・オースティンの未完の作品

ジェーン・オースティン原作、ドラマ「サンディトン(Sanditon)」(全8話)ネタバレ感想です。hulu配信中。

主人公は、とっても愛らしいシャーロット・ヘイウッド(ローズ・ウィリアムズ)

 

ですが、原作は未完成。ジェーン・オースティン(1775年12月16日 - 1817年7月18日)の習作は残っているものの、途上で亡くなったそうです。

享年41歳。まだまだ練って書き直して完成させる予定だったのでしょう。

 

もともと「Brothers」というタイトルだったとのこと。パーカー兄弟のことでしょう。1970年代にモスクワ在住の外交官夫人である女性が完成させ、「Sanditon」のタイトルで出版されたのだとか。

それだけに、登場人物や場所、エピソードをアレンジし、新たにつくられたようです。しかも、シーズン2が前提だったらしく、なんと主役の2人が別れる結末になってしまいました。
最終話の評価だけ低いのは仕方ありません。

 

いずれハッピーエンドになる! という気持ちで見なくちゃですね。

それでも時代背景が楽しめましたので、キャストを通してのネタバレ感想です。

 

ITVによる2019年のドラマ。製作総指揮は「ハウス・オブ・カード」のアンドリュー・デイヴィスでした。

 

自由闊達なヒロインはローズ・ウィリアムズ

オースティン作品らしいヒロインは、明るく知的で行動的なシャーロット・ヘイウッド。建設中の海辺のリゾート地「サンディトン」に滞在します。

 

演じるローズ・ウィリアムズ(Rose Williams)は、1994年2月18日、英イーリング出身。

最初の大きな仕事は17歳のとき、ドーバー ストリート マーケットのキャンペーンだったそうです。そして「REIGN/クイーン・メアリー ~愛と欲望の迷宮~」(2014-17)に出演するためトロントに3年間滞在。クロード・ド・ヴァロワ役で知られるようになります。

 

その間、LAで仕事をすることも増えたとか。幾つかの映画やドラマで経験を積み、ドラマ「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」(2016)や、ショーン・ビーンのガールフレンド役で「Curfew」(2019)に出演。←日本配信が待たれる人気作ですね!

「Medici: The Magnificent」(シーズン3、2019)では、なんとカテリーナ・スフォルツァ役! これはさすがに若すぎる気もしますが・・・どうなんでしょう・・・。ジーナ・マッキー級の貫禄がほしいところです。

 

ドラマに戻って、シャーロットの恋のお相手は、サンディトンでお世話になるパーカー家の次男シドニー

 

言葉で説明してくれなくて、謎めいた傲慢そうでいやな奴で最初は反目し合います。シャーロットは才気煥発、思ったことをどんどん口にするちょっと生意気な若者で・・・という定石通りの展開! オースティンですからねっ。

リゾート開発に奔走する長兄トム・パーカーを助け、ファミリーみんなで困難を乗り越えながら、お話が進みます。

 

シドニー・パーカー役はテオ・ジェームズ

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どこから見ても格好いい、スマートでノーブルで身のこなしも美しい超二枚目、Theo James。

 

どこかで見たぞと思って調べたら、ダウントン・アビー」のパムークさんではないですか! オスマン帝国の外交官で死体になって運ばれる役。シーズン1、かなり早い段階での登場で、ドラマの展開自体に腰を抜かした覚えがあります。

 

代表作は、映画「ダイバージェント」シリーズ(2014-16)。

1984年12月16日、英オックスフォード生まれ。エキゾチックな美貌はギリシャ系ということもあるようです。

不動産業に夢中の(でも向いてなさそうな)兄トムを支える冷静沈着な弟。さらに体も気も弱いけど愉快な弟アーサー、アーサーといつも一緒の姉妹メアリーがいます。4人まとめてパーカーズ。

 

兄弟の危機、シャーロットのピンチ、昔お世話になった人の娘ジョージアナ・ラムが困ったときは奔走して必ず助けてくれる強い味方です。

 

そして社交界の描写は安定の面白さ💛

ダンスや駆け引きや素敵な貴婦人との出会いなど、18~19世紀の雰囲気が楽しいです。

 

お隣、デナム家の遺産騒動が影響します!

こちらは、サンディトンきってのお金持ちで意地悪で(悪人ではない)ズケズケものを言うレディ・デナム(アン・リード)

遺産相続人の座をめぐり、悪賢い被後見人や親戚たちがバトルを繰り広げます。

 

レディ・デナムは、トム・パーカーが進めるリゾート開発最大の出資者なので、遺産が不正に横取りされたら一大事。工事の進み具合とあわせてデナム家の資産が大きな要素になってきます。

 

相続人争いのなかでも一番のお気に入りは、サー・エドワード・デナム(ジャック・フォックス)

パーカー家の隣人であり、遺産を狙っていまして、腹黒いのにヘタレな色男。真面目に悪役ぶってるわりに簡単に陥れられる詰めの甘さが可愛くってしょうがなかったです。

 

こちらはエドワードの義理の妹エスター・デナム(シャーロット・スペンサー)

血のつながらない兄を本気で愛していたのにあっさり裏切られます。が、冷たくしたのに愛してくれたバビントン卿(マーク・スタンレー)とハッピーエンドを迎えるのでした!

シドニーの親友バビントン卿、「GOT」のナイツウォッチ、グレンでした。エスターにどんなにひどい仕打ちをされても喜びを感じる愛し続ける理想の結婚相手でしたね! すっかり応援してしまいましたよ。

 

アンハッピーな結末は新シーズンのためだった?

未完の小説だったため、最後は別れる羽目になってしまったシドニー&シャーロット。オースティンなのに・・・。

トムの資金調達のため、シドニーが富裕な元恋人と結婚しなくてはいけなくなった、というエンディングでした。

 

制作陣は、次シーズンのためだったとはっきり認めています。が、視聴者数が少なかったようでシーズン2はキャンセル。中途半端に終わってしまったのは残念でした。

 

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●いまだSNSでは #SaveSanditon 運動が続いています。このまま終わらせてはいかん! という根強いファンが多いみたいです。

 

社交界の、でも雲の上の王侯貴族ばかりでなく、等身大の市民たちのハッピーな物語が愛されているのですから。

 

●久しぶりに見たジェーン・オースティンものでした。

が、コリン・ファースの「高慢と偏見」を見た時の心臓がバクバクいうような感覚にならなかったのは、コリン・ファースじゃなかったからか、脚本&演出が理由なのか、こちらが年を取ったからなのか・・・。

 

きっと最後の理由が大きいのでしょうね。ええ。

つくづく、若い女性のための作品だと思います。

年を取ったら対象外という意味でなく、友情・努力・勝利の少年ジャンプのように?若いうちに触れておいたほうがいい作品という意味で。

(年を取ったらまた違う味わいがありますし、ジャンプを読むべきという意味でなく、成長過程できっと共感できる通過儀礼のような作品という意味です)

 

狭い世界の結婚のお話といわれますが、確かにそういうシチュエーション。

オースティンもまだ40代になったばかりですし、少女から大人の女性になるとき、何を意識すべきか、感じるかを描いていたのでしょう。

 

当時の社会習慣のなかで、女性として避けて通れない結婚問題を題材に、夢見ることの幸せと人間関係の不思議さ、観察眼の大切さなどが描かれていると思います。

それに、なんといってもストーリー自体が面白い! 次が気になって読まずには(見ずには)いられません。

 

なので、もしシーズン2ができたらきっと見ます!

 

●といっても、さすがに現代にそぐわない習慣も多いので、ちょっとコミカルな味付けも多かった。もともとユーモラスな上に音楽も軽妙で、面白がってね、というような。

 

ジョージアナ・ラムを丁寧に取り上げたのもよかったと思います。

西インド諸島、アンティグアで成功した富豪の娘で、教育を受けるため英国に送られたミス・ラム。肌の色が違うことで困難に直面します。

原作ではどのように触れられているか分かりませんが、現代の作品らしく真正面から取り上げましたね。

 

●ところで過去にも映像化されているこの作品、少し前に映画化の話があったようです。

 

ホリディ・グレインジャー、マックス・アイアンズ、レディ・デナムにシャーロット・ランプリングと発表されたのは2016年。

制作中止になったのか、遅れているのでしょうか? 実現したらこのキャスティングも楽しみです!

 

●あと、面白かったのは、当時の「リゾート開発」。

由緒あるリゾートは昔から優雅な保養地だったところが多いですものね。

 

産業革命を背景に、豊かになりつつある市民たちの生活やビジネス観が新鮮でした。

イデア豊富なシャーロットでしたから、ひょっとしたら企画力を発揮してビジネスパートナーとして活躍するお話になったかもしれません!

 

 

あー、でもやっぱり舞踏会。文句なしに素敵でした♪

 

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