カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「LAW & ORDER: SVU 性犯罪特捜班」シーズン21 Ep3 感想 ~ 被害者を信じる、とは? そしてノア君、成長しました

シーズン24まで決定しているアメリカ最長ドラマ「LAW & ORDER: SVU」。
本国では2019-20放送のシーズン21、 第3話「ヘルズ・キッチンの悲劇(Down Low in Hell's Kitchen)」のネタバレ感想です。

 

とてもLAW & ORDERらしいストーリー展開だったと思います。

 

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↑ただいま、少数精鋭どころか最少人数での苦しい勤務状況。カリシは検察に行っちゃったし(長年の希望なんですが)。

 

新メンバーを待つ前に、まずは新指揮官の登場です。

 

 

クリスチャン・ガーランド警視正 Deputy Chief Christian Garland です。ドブスの後任ですね。副本部長、になるのでしょう。

演じるのは、カナダ出身の Demore Barnes。(発音はデモーア・バーンズ??)

「シカゴ」シリーズや「ハンニバル」「コバート・アフェア」「12モンキーズ」「ヘムロック・グローヴ」にも出演。

 

ガーランド警視正は、ベンソンいわく「几帳面で 思慮深く 名門大学出身」のエリートです。

いきなり現場で捜査に参加することになってしまいます。

 

同性愛者への連続レイプ事件。ターゲットは明らかでした

 

ヘルズキッチンで深夜のレイプが連続して起こりますが、誰も被害届を出しません。告発しづらい人々がターゲットでした。

 

それは、ゲイ・アフリカ系・プロフェッショナルな仕事をしている・妻子がいること。

つまり、ゲイであることを隠している、社会的地位の高い30代後半の黒人男性ばかりでした。

 

そこで着任2週間のガーランド警視正がおとり捜査をすることに(なかなか荒っぽい展開で・・・)。

 

性犯罪であり明らかに憎悪犯罪でもある事件です。必ずスタンガンとビール瓶を使用するという手口でした。

 

声を上げられない被害者と公表する被害者

 

ある日、人気ミュージシャン、マシス・ブルックスが同様の被害にあい、SVUの説得に応じて事件を公表することに。

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NBC HPより

同性愛者であることをSNSでカミングアウトし、事件を伝える姿勢は、同じ被害者を勇気づけるとして話題を集めました

 

報道は好意的に受け止められ、マシスのおかげで3人の男性が名乗り出ます。

LGBTQ支援センターで活動しているフィンの息子ケンが連れて来たデボン・トンプソンや証券会社のエグゼクティブなどでした。

 

そこでガーランド警視正のおとり捜査となり、逮捕したのが仮釈放中のモランで、3人の証言と一致した赤毛でワーキングブーツの白人。ゲイと黒人に偏見を抱いていました。

 

が、マシスの証言だけ一致しません

しかも、マシスの兄エイゴンがスタンガンを買う監視映像が公開されます(護身用と釈明しますが)。自作自演ではないかと報道され、一転批判にさらされます

 

実は、ゴシップサイトに同性愛者ということを暴露すると脅されていたマシス。

レイプ事件に便乗してカミングアウトし、支持を集める計画だったようです。ビール瓶にも兄の指紋がついていました。

 

あくまで強硬姿勢の検察 VS 被害者に寄り添うSVU

 

モランを起訴→有罪にするためには、被害者の証言が必要です。

しかしみな法廷での証言はできないうえ、マシスは信頼できない状況。

↑相変わらず板ばさみカリシ(写真のみご覧ください)。

 

ハディード主任検事は、召喚して力づくでも証言させる強硬姿勢でした。

一度却下されたのに「だからあのとき召喚しておけばよかったのよ」

対してリビアは「われわれは被害者を非難しません」

 

ガーランド警視正は、検察と警察の上層部どうしで方針が決まるから、自分達が何を言ってもむだだとあきらめているように見えました。

が、もちろんオリビアはあきらめません。

 

そしてデボンから、レイプの日より前に、トイレでモランと性的関係をもったことを聞き出します。

しかもバーに戻って2人いっしょの写真を撮っていました。

 

しかし証言しないと写真は証拠にならないといいます。ここでカリシがひらめきました。

 

誰も証言せず、司法取引で決着。そしてマシスは・・・

 

刑務所では同性愛者は危険らしいですから。

 

カリシはモラン側に、法廷で合意のうえでデボンと性交渉をした同性愛者だと公表すると伝えます。

ゲイじゃないと怯えるモランは、犯行を自供して司法取引で7年の懲役になりました。

 

いっぽうのマシス。犯人はモランではありませんでした。

 

事件に便乗した自作自演は間違いなく、でも取り調べでは模倣犯がいたはずだと必死で叫びます。

しかも警察への反論を動画で公開し、ますます立場が悪くなるばかり。

 

マシスは実は、今回は無関係でしたが、以前レイプ被害にあっていました

 

後日、フィンが会いに行き、乗り越えて行こうと話をします。

苦い結末ですが、マシスが名乗り出たからモランを逮捕できたわけですから。

 

~~~~~感想~~~~~

●世相を反映し、被害者に寄り添い、巧みな司法取引へ。

LAW & ORDER らしいストーリー転換にうなりました。

 

マシスは自作自演が報道されるにつれ「自分はうそつきじゃない。警察は黒人を犯罪者にしている」と過激化します。

カリシはモランに「街の変化が憎いのか?」と切り込みました。

 

同性愛や人種問題がエスカレートし、また取引材料にもなるというのは皮肉です。

 

SNSで話題になることでさらに複雑になり、関係者それぞれの立場や考え方も入り組んでしまう。
時代を反映したリアルさが息苦しいエピソードでした。

 

●ガーランド警視正は、虚偽の通報をしたマシスを逮捕しようとしますが、オリビアが止めました。

 

信用されないと被害者は不安になり、名乗り出なくなるから、と。

 

性犯罪においては、何より「被害者を信じる」が第一歩と何度も描かれてきました。
他の犯罪被害者もそうなのですが、性犯罪の場合は特に名乗り出ることが難しい場合も多いわけで、何度も繰り返されるこの言葉が重いです。

 

●しかし!  ハディード主任検事は何なんだー!

 

この人なりの理由や事情はあるかもしれませんが、今までのところ嫌悪感しかないのが正直な感想。

検挙率をあげる、点数を稼ぐためなら被害者はどうでもいい扱いに見えてしまいます。

 

これまでの歴代検事が共に闘うキャラクターだったので。どんな展開があるのか気にしておきますけどね。

 

そして少々頼りないガーランド警視正・・・。

初めてのSVU担当だったので、被害者への対応もこれまでと違うということを強調したかったのかもしれません。

ドブスの後任ですから、がんばってほしいものです。

 

●そして! 事件とは関係ないのですが

ノア、リトルダンサーになる! の回でした。

↑僕、野球よりダンスがやりたい、とノア。オリビア面食らってました。

↓でもちゃんと連れて行くところ、いいですね。

 

ノア初登場は2014年のシーズン15「養子の行方(Wednesday's Child)」だったと思います。

リビアが引き取ってから、こんなに長いストーリーになるとは思いませんでした。

この2人のストーリーも本当に魅力的。

 

大きくなったなあ、としみじみしていたら、なんだか先が楽しみな気の強そうなイケメンに!

演じるRyan Buggle(ライアン・バグル?)君、2017年からノア役でした! 
現在本国放映中のシーズン22にも出演していて、ノア4代目になるようです。

 

2010年1月31日ニュージャージー州生まれ。

「パーソン・オブ・インタレスト」(2014)、「マインドハンター」(2019)など出演多数。

ダンスが得意で舞台でも活躍しているようです。↓はBig Apple Circusより。

楽しみが増えました♪

 

●それにしても「キャプテン・ベンソン」という響き、いいですね!

 

次回、気になるキャラ再登場(のはず)です。

 

 

 

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