カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン4 Ep4 感想 ~ ロズ・ハントリーが周到に反撃。そして驚きの裏切りが・・・ Netflix

2017年に放映された「Line of Duty」シーズン4のネタバレ感想です。前回(第3話)はこちら。メインキャスト3名についてはこちらへ

 

第4話「Moral Superiority」モラル的に優位なこととは、誰の何を意味しているのか?

 

会話劇・心理戦の様相が濃いシーズン4ですが、このエピソードは大きな転換ポイント。いろんな伏線が動き出します。 

 

それにしても、事件の捜査って難しい。

言葉のやり取りだけでどんどん “事実” が変わっていきます・・・。

 

 
 
 
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見どころは【ロズとニック】【ロズの戦略】の2点

 

ロズの夫、ニック・ハントリー(リー・イングルビー)を訪ねる途中、目出し帽の男にバットで殴られ、階段から突き落とされたAC-12スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン)

 

当然、最も疑わしいのはニックということになります。

が、ニックはパニック寸前、ロズに相談して対応を指示される始末でした。妻は殺人事件を捜査する刑事ですからね。

 

つまり、これまでの
【目出し帽の男が女性を誘拐・殺害していた連続事件】
【鑑識ティム・アイフィールド殺害事件】
に加え
【スティーブ・アーノット君襲撃事件】の3つがからみ合うことになります。

 

いずれにしてもロズ・ハントリー警部(タンディ・ニュートン)が関係していると見て、
・規律に基づき捜査をしたのか
・犯罪に加担していないか、
を調査しているAC-12。

 

テッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)と新任のジェイミーデスフォード巡査(ロイス・ピアソン)が中心となって進めます。

 

ケイト・フレミング巡査部長(ヴィッキー・マクルーア)は、引き続きケイト・フリンとしてロズのチームに潜入調査中。

 

自分が疑われていること、夫まで捜査されたことでいら立っているロズの動きが最大の見どころです。

もちろんAC-12への対抗策を考えているはず。

 

とはいえ、夫が調べられたり新しい証拠が出てきたり。事態が動くと対策も変わらざるを得ません。

 

周囲を見ながら何を考えているのか・・・ロズの動きから目が離せませんでした。

 

【ロズとニック】夫へのウソ、妻への不信感が明らかに

 

プレッシャーも大きいロズ・ハントリー警部。夫へのウソを重ねることになってしまい、当然、夫ニックも何かがおかしいと気づきます

 

■ニック×AC-12■

ニックはAC-12と面談。スティーブに関することと、ロズのことを聞かれます。

スティーブの事件の後、監視カメラのない裏口から出てロズに会っていましたからね。その15分間、トイレに行っていたと話していました。

 

そしてもちろん面談の焦点は、ティム・アイフィールドが殺害されたと思われる夜のアリバイ

 

携帯を自宅に(わざと)忘れたロズの足取りが第一。

体調が悪く、家族にうつさないよう別室で寝ていた、子供はそれに気づかず携帯に電話をしたと言います。

 

そして、車でティムの家の近くにいたことから気づいたことはないかどうか。

 

逮捕ではないので帰宅を許されましたが、この時の偽証が後々問題になるかもしれません。

 

■ロズ×ニック■

ところでハントリー家は、幸せで温かな家庭とは言い難い状況。

2人の子供はティーンエイジャーらしく、難しいお年頃。妻は仕事優先で夜も冷たい。

 

ニックは何度もロズに本当のことを言ってほしいと迫ります。

2回ともロズの対応が迫力でした。

 

最初は(ティムが亡くなった夜は)あくまで仕事だったと言い張り、それでも納得せず君はウソつきだ、浮気していたんだろうと言うニック。

 

実はニックは、ロズが忘れた携帯を渡そうと追いかけ、タクシーに乗る妻を見つけます。

そして浮気を疑って、ティムの家の近くにいたという。

 

ロズにとっては、浮気と思われたことは幸いでした好きな人と一緒にいたと話します。

たまたま近くで犯罪が起きたけど関係ない、と。

 

それでもお酒を飲んでは問い詰めるニックに、ロズは、私は被疑者になりながら、家庭を守ろうとしているのよ、と反撃。

平手打ちを食らわせ「私を誰だと思ってるの。私が守ってるのに」。

 

ニックを丸め込んで、泣かないでと慰めるロズでした。完全に主導権を奪ったことが描かれます。

 

【ロズの戦略】面談を通し、AC-12に厳しい反撃

 

後半はロズ×AC-12の緊迫の面談ですが、それまでに新たに明らかになった証拠もありました。そんな背景からまとめます。

 

■新事実・新証拠■

❶今エピソードで登場した新証拠は、スティーブを襲った犯人らしい男の監視カメラの画像

バットこそ持っていませんが、目出し帽、黒っぽい服装で路地を歩く姿でした。

 

❷ジェイミーの案で、ティム宅の血しぶき「KRG-13」を外部機関で再検査。

ティムの血液だけでなく、鑑識用のスーツの繊維が発見されます。つまり、検体はスーツから採取された

スーツは部屋からは見つかっていませんから、保管室ですり替えられた可能性がある。アクセスできるのは警官だけ。

 

❸「KRG-13」は鑑識官ケビン・R・ギルが担当したもの。

ロズは巧みに話をし、「30」と書き間違えて修正した可能性がゼロではないことを認めさせますが、後にケイトが覆しました。

 

■ロズ×AC-12■

後半は30分近く面談が続きます。緊迫しました。

 

❶面談の当初はヘイスティングス警視が攻めます。

ロズの容疑は
●マイケル・ファーマーの証拠ねつ造の可能性
●ティム・アイフィールドの鑑識の証拠改ざん
●ニックの関与が疑われる事件の証拠ねつ造

ロズはマイケルとティムが共謀したとしていましたが、ティムは180センチ以下なので目出し帽の写真の男には合致しないこと、ハナにはティムが傷つけた痕がないことやKRG-13の繊維など、矛盾点・捜査を怠った点を厳しく追及しました。

 

そのうえで、ティムは陰謀に気づき、ファーマーの無実を証明しようとした。口封じで殺されたはずだと述べ、謹慎処分を伝えます。

 

❷その後、ロズがヘイスティングス警視の性差別問題を提起

モラル面を反撃。まずは女性蔑視だと主張します。

 

女性の昇進が少ない、デントン事件など女性を多く逮捕している、自分のことをお嬢ちゃんと呼んだ、フリーメイソンではないのか・・・など女性警官の扱いへの問題を提起。

 

女性警官への執拗な攻撃を魔女狩りにたとえます。あくまで不当な扱いに対する権利を主張したものでした。

ケビンの供述も、AC-12への供述の後に、修正させていました。

 

ケイトの動向を探り、潜入捜査を指摘

 

さらに。

部下のジョディ・テイラー巡査(クラウディア・ジェシー)が何度もケイトのことを報告していましたが、写真まで撮っていたことが判明。

ケイトに証拠をねつ造させ、証言を変えるよう指導させたと主張します。

 

ヒルトン警視長を取り込んでいました。

 

最後に提出したのがロズとそのチームへの捜査を禁ずるというヒルトン警視長(ポール・ヒギンズ)の署名入りの文書。

最初は相手の手の内を確認し、準備した資料を見せて行く、という手法でした。

 

終わってみれば・・・ロズ側の勝利。AC-12は何の成果も出せずに終わりました。

 

気になるキャラ・・・ジェイミー、マニート、ジミー・レイクウェル

 

その他の動きは

■ジェイミー・デスフォード巡査(ロイス・ピアソン)

ちょっと不憫な役回りでした。

入院中のスティーブの代役がすぐに完全につとまるわけはなく、面談でも不手際がありまして、ヘイスティングス警視はスティーブ愛からつらく当たってしまいます。

 

ジェームズじゃなくて本名で呼んでもらいたいのに、間が悪い新入りとして描かれました。

クスっと笑わせてくれるのはこの人だけなんですが。

 

■弁護士ジミー・レイクウェル(Patrick Baladi)

ニックの友人の刑事弁護士。ニックの聴取に参加しました。

写真は後のエピソードのものですが、ハントリー夫妻の事件に付き添う人物です。

 

■マニート・ビンドラ巡査(Maya Sondhi)

優秀で頼りになるマニートが!!

 

衝撃のラストでした。
暗がりでヒルトン警視長に書類を渡していました。つらそうだったので、脅されたんじゃないかと思いますが、まさかのマニートの裏切りです。

~~~~~感想~~~~~

 

●言葉って本当にこわい。

 

小さなことを大きくしたり、大きな問題をすり替えたり。
面談シーンの怖さ(=脚本の面白さ)が際立っています。

 

その説得力を増幅するのがタンディ・ニュートンの張りつめた表情。

複雑な心の動きを表現していて目が離せませんでした。

 

●ねつ造なんかしない! 警視長はだませても他は無理! と反論するケイトの家庭問題まで調べていたなんて。

 

他にも隠し玉がありそうで気持ち悪いです。 

 

●そしてあからさまにロズを誘うヒルトン。
ホテルのバーで手を握り、部屋に行こう・・・って、こっちのほうがよほど問題ですけど。

 

署名をもらって無事に面談も終わったので、家族が大事なんですときっぱり断っていました。

でもこの2人の関係は、今後も要チェックですね。果たして次回は・・・

 

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