FOX放送中のシーズン21第8話「機械のエルフ(We Dream of Machine Elves)」ネタバレ感想です。
始まりはジェファーソン・エアプレイン。サイケデリックな導入で、幻覚剤を使った事件につながります。
尊敬する人を失ったロリンズ(ケリー・ギディッシュ)がメインのエピソードでした。
そして今回から、キャット(ジェイミー・グレイ・ハイダー)が正式にレギュラー入り!(という解釈でいいのかな)
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OPにも加わりました。
これだけ長く続く大規模なドラマでは、新キャスト選びも大変なんでしょうね。
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薬物を過剰摂取したレイプ被害者が発見されます
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事件はまずカンザスからの観光客メーガン・ゲイルが公園で見つかったこと。シーツを巻いただけの姿で、レイプされていました。
続いて上の写真のスウェーデン人留学生フレイヤ。
2人とも、強力な幻覚剤DMT、ケタミン、GHBなどを大量に摂取していました。
そして、馬のいない馬車、ヒョウの上に乗っていたこと、白いひげの魔法使い、機械仕掛けで光るエルフ、トロール(フレイヤの場合)の幻覚を見ていたことが分かります。
薬物を大量に投与され、拘束され、複数人にレイプされたこと、自分の墓穴を掘っていたことが共通していました。
2人は徐々に回復しますが、もう一人、なかなか回復しない被害者がいたことも判明。
メーガンとフレイヤの供述から、
●ヒョウ柄のシートの輪タクに乗った。運転手はシルクハット(後にケイレブという青年と判明)
●男女2人組が若い女性を誘っている(後に女性はアドラー教授の娘アナイスと判明)
●ピカソのシルヴェットの胸像(NYユニヴァーシティ・プラザ)、エイズメモリアル(ともにグリニッジビレッジ)近くの赤い玄関の家に行った
ことを突き止めます。
ロリンズが尊敬する教授に近づき、確かめる
記憶にある目印をもとに道をたどり到着したウエストビレッジの家の主は、高名な精神医学者ジュリアス・アドラー教授(アダム・アーキン)でした。
Prepare to meet Professor Adler.
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑: 𝐒𝐕𝐔 (@nbcsvu) November 15, 2019
Adam Arkin guest stars in tonight's #SVU. pic.twitter.com/tMqKSgduus
「シカゴ・ホープ」や「殺人を無罪にする方法」「ファーゴ」などいろんなところで見かける超ベテラン。
アドラー教授は先進的な治験を行っており、多くの学生や教師が出入りしていました。公開セミナーという集会でメーガン達は薬物を投与され、自己を解放するとして集団レイプされ、古い自分を葬るために墓穴を掘らされていたと分かります。
ロリンズはアトランタの大学で心理学の担当教授アドラーに感銘を受けていたことから、NYでも研究者として近づきます。
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↑大学でも違和感ない40歳。
絶望や不安は精神疾患ではない、抑圧が原因だというアドラー。魂を束縛から解き放つためと言い、娘もいっしょになってロリンズにクスリをすすめます。
輪タクの運転手だったケイレブがエーテルらしきものを運び込む現場をおさえ、薬物の確証を得たロリンズの合図でSVUが踏み込みました。
When the DUN DUN hits a little too hard. #SVU pic.twitter.com/xoKgxDEoo2
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑: 𝐒𝐕𝐔 (@nbcsvu) November 15, 2019
↑メーガン達が見た鷹の飾ってある寝室も発見。ロリンズも少量吸ってしまったようで、しばらく視界がぼんやりしていました。
数年前、うつ状態になったというケイレブ。両親は、息子はカルトにのめり込んだと語ります。洗脳解除の専門家に退職年金をつぎ込んだが無駄だったと。
あなたを擁護できるのは私だけ、とアドラーに話をさせるロリンズ。
Whose side is Rollins on? #SVU pic.twitter.com/J8ijhUjHW4
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑: 𝐒𝐕𝐔 (@nbcsvu) November 15, 2019
優れた学者だったアドラーですが、変わってしまっていました。
ロリンズにも自己の殻を破り性的衝動を解放すべきだと発言。虐待され、抑圧された子どもを助けていると主張します。(さらに多くの被害者がいる)
しかしDMTの研究は政府の認可を受けているため、それだけでは逮捕できません。
なぜアドラーは変わってしまったのか
アドラーを偽預言者と呼んだカーマイケル警視正(Demore Barnes)。カルトに言及していました。
オリビア(マリスカ・ハージティ)に対して、仕事の進め方に口出しはしない、君なら被害者に寄り添えるから、と信頼を表していましたね。
Don't go there, chief. #SVU pic.twitter.com/dNEtxiYPlx
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑: 𝐒𝐕𝐔 (@nbcsvu) November 15, 2019
SVUは、20年前は精神医学の権威だったアドラーを探ります。
娘が3歳のときに妻は亡くなったと語っていましたが、死亡証明書が無いことから妻を探すことになりました。
妻キャスリーンは、幻覚剤により精神疾患となり、現在まで15年間入院中。回復の見込みはないとわかります。
現在の薬物事件と関わりがあることは確実。動揺するロリンズに、あなたに託して大丈夫? と危惧するオリビアですが、ロリンズは「他に誰ができる?」と応えていました。
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アドラーと一対一で話すロリンズ。
患者として出会った妻キャスリーンは、子供のころ父にレイプされ、母親にも虐待され、自己防衛から解離性障害と診断されていました。
幻覚剤を使って救った。再生した。愛があったと言うアドラーですが、治療がもとで悪化したのでしょう。
それ以来、他者の救済につとめてきたというアドラー。暴行(レイプ)ではなく治療、再現することで真の自己を取り戻せると信じています。
そしてロリンズをキャスリーンと呼び、陰謀を糾弾。アドラー自身が精神を病んでいました。
"They're broken"
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑: 𝐒𝐕𝐔 (@nbcsvu) November 15, 2019
But she broke him. 👊 #SVU pic.twitter.com/YirRPH81uR
オリビアとカーマイケルは芝居を疑いますが、食事も睡眠もとらないアドラーの病状は本物だったようです。
「私もある時期、自分を見失っていた。彼にすがり、答を見つけたかった」と言うロリンズにカリシが「賢い君はそうしなかった。弾をよけた」と言ってくれてほっとしました。
(今回カリシはテンパっていて、フィンとキャットは辟易していました。最後にちょっと復調してほっとしました。)
~~~~~感想~~~~~
●始まりは、ジェファーソン・エアプレインの「White Rabbit」♪
一気にフラワーチルドレンな気分にさせてくれますね(リアルタイムでは知りませんが)
ヒッピー文化全盛の60年代風味と、現代的な機械仕掛けの幻覚が凝ってました。
↑「Somebody to Love」も収録の名盤です。
加害者たちのことをメーガンはエルフ、フレイヤは(スウェーデン人らしく?)トロールと表現してました。アドラーがウィザード。
●幻覚剤というとLSDを連想しますが、DMTはさらにとっても強力なようです。ここによると、臨死体験でも脳は似たような活動をしているとか。
厳格な管理が必要なのに、誤った認可で誤った“治療”によって人生を狂わせた犯罪でした。
●すぐにピカソと気づくカーマイケルさん、アート好きのようです。
それから「キャンベルは神秘主義と精神疾患は紙一重と言っている」って神話学者のジョーゼフ・キャンベルのことかなあ。
うろ覚えですが、シャーマンや宗教家などと精神的な病の違いは、心の奥底の深海を泳ぐかおぼれるか、という比喩があった気がします。社会秩序との関りなど色んな前提があったうえで。
精神医学に詳しくないので触れるのは怖いのですが、適切な治療ではなく“再生”の解釈が恐ろしいポイントなのかなと思いました。
又読んでみようかなと思いました。とても読みやすかった記憶あり↓
こちらが有名かと思いますけど、途中脱落したので再トライしようかと↓
↑は的外れで別のキャンベルさんの可能性も大ですが、個人的にこんな連想をしてしまいました。
ほかにも、アドラーが叫ぶ「緑の卵とハムは食べないぞ」は何の引用だろう。いろんな象徴がちりばめられていたんでしょう。
最後のシーンでは、事実を知った娘のアナイスが母キャスリーンに会いに行きます。つらい再会でした。少しでも平穏に過ごせるよう祈るしかない事件でした。
このあと味も「SVU」ですね。。
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次回は2週連続エピソードの前編になります。