カノンの海外ドラマ漂流記

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映画「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」感想 ~ 迫力のドキュメンタリーです。Netflix

あんまり仕事が忙しいと悶々としてしまって、スカッとする作品を観たくなります。

 

大正解でした!

映画「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(Stunt Women The Untold Hollywood Story)」🌞Netflix配信中です。

 

まずは、格好良すぎるスタントウーマン達の名シーン&トレーニング風景をどうぞ↓

 

Netflixの新作リストを見た時から気になってたんです。

今年2021年1月に日本でも公開されたばかりなのですね。詳しくは、こちらの公式サイトへ。

 

“数々の映画を彩って来た名アクションシーンの裏側に迫る史上初のドキュメンタリー”だそうです。

うん、確かにこれは大きなスクリーンでもう一回見たいぞ。

 

オスカーにスタント部門を! と言われていますが、大賛成です! 役者同様、素晴らしいスタントパフォーマーなくして映画はできませんから。

 

 

 

CG全盛だからこそ、ますますスタントが重要に

 

登場する作品は、公式ポスターにのっているだけでも
ワンダーウーマン」「マトリックス リローデッド」「キャプテン・アメリカ」「キル・ビル」「チャーリーズ・エンジェル」「マッドマックス 怒りのデスロード」「ワイルド・スピード」「トータル・リコール」「ジョン・ウィック」「スカーフェイス」「トゥルーライズ」「大地震」などなど。

 

現在進行形の作品で“主役”を演じる若いスタントウーマンから、80代の大先輩まで多数登場。

スタントの技とともに、先駆者である女性たちのストーリーでもあります。

 

↓例えば、ドラマ「ワンダーウーマン」(1975-79)でリンダ・カーターのスタントダブルが有名なジーニー・エッパー。父はゲイリー・クーパーやヘンリー・フォンダのスタントダブルだったそうです。

↓ドラマ「チャーリーズ・エンジェル」(1976-81)でファラ・フォーセット・メジャーズのスタントダブル、ジュール・アン・ジョンソン。 (シェリル・ラッドのスタントがジーニーだったそう)

ほかにもたくさんの伝説的スタントウーマンが出演していて、作品や技術のこと、トレーニングのこと、仕事として大切にしている思いなどを語ります。

 

↓こちらはマニーメイカー姉妹。

「ブラック・ウィドウ」スカーレット・ヨハンソンのスタントダブルや「アベンジャーズ」などのハイディ「ハーレイ・クイン 華麗なる覚醒」マーゴット・ロビーのスタンドダブルや「キャプテン・マーベル」のレネー・マニーメイカー姉妹

「ワイルド・スピード」では二人で格闘しました。

 
 
 
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ミシェル・ロドリゲスは、プロデューサーの一人。ナビゲーターとして出演しています。

  

それにしても、どんなに技術が進歩し、CGを多用したとしても、生身の人間の動きがなければあの迫力は生まれないんだと実感します。

 
 
 
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車、スポーツ、剣術、格闘技・・・あらゆるトレーニングが必要

 

日々、練習という彼女たち。

あまりに格好いいトレーニング風景に見とれてしまします!

 
 
 
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空中戦ではヒネリを入れた回転が必要とされますが、空中で3回転して正しい位置で止まり、正確に剣を振り下ろすとなると、どれだけの能力が必要になるんだろう・・・。

 

ちなみに↑の映像は「ワンダーウーマン」などのジェシー・グラフ。子供の頃サーカスを見て空中ブランコに憧れたそうです。

 

ハイディ・マニーメイカーは元体操選手だし、中国の太極拳大会で優勝した女性もいます。代表レベルの元アスリート、元ダンサー、元警察官もいて、驚異的な身体能力は一見の価値あり。

 

なるほど、と思ったのは、やはり得手不得手、得意分野があるらしいです。

 

オフィシャル・トレーラーの最初で体に塗っていたのは皮膚を守るファイアー・ジェルで、火災スタントには欠かせないのだそうです。

 

ほかに、炎の中を走るときは息を止める必要があるとか、ワイヤーアクションでは跳び方・着地の仕方にコツがあるとか、車にはねられるときは当たる脚に体重をかけない・・・など、いろんな種類のスタントが紹介されます。

 

高所から落ちるときは、消防用のエアバッグを使って練習するそうです。大勢で逃げる人たちの役もあるし、警官や撃たれる役も多い。

 

そして、現代の映画・ドラマに欠かせないカーアクション!

現代最高のスタント・ドライバーデビー・エバンスには驚きました😲この動画には、「マトリックス」だけでなく、これまでの多くの作品がまとめられています。本人の公式サイトからお借りしました。

6歳でバイクに親しみ、70年代にヤマハがスポンサード。並みいる男性スタントを押しのけて多くの大会で優勝。「ターミネーター」ではリンダ・ハミルトン、「Mr. & Mrs.スミス」などでアンジェリーナ・ジョリーのスタントダブル。

「マトリックス  リローデッド」では最高145キロ出したそうです。凄すぎる・・・

 

「ワイルド・スポード」ではミシェル・ロドリゲスのスタントダブルで、2人で公道をドライブ? するシーンがあります。

 
 
 
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もう一台はやはりスタントマンの息子さんだそうです。

姉妹であるドナ・エバンスも「トータル・リコール」などで大活躍。

 

ほかにもカースタントを行う女性たちが登場します。決められた位置でスピンし、正確な位置に止まる、しかも安全に、というテクニックに呆然としてしまいます。

 

スタントだけでなく、女優の “代役” でもある

 

作中では、ポール・フェイグ、ポール・ヴァンホーベン、アン・フレッチャーなど監督陣もインタビューに答えています。

 

“代役” である以上、容姿・体型が似ていることはもちろん、女優そのものになるような内面が大切なのだそうです。確かに。

 

ハイディ・マニーメイカーはスカーレット・ヨハンソンのスタントダブルとして有名です。作品には登場しませんが、2人の動画がありました。

 
 
 
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つまり・・・男性のように体が大きくてはNGということ!

 

筋肉質でも細くなくてはいけない

男性と違い、ミニスカート、ハイヒールのことも多いので見えるところにパッドを付けて保護できない、ということ。

 

男性スタントは長袖・ズボンなのでパッドだらけだそうですよ。

 

女性スタントは100年前から活躍していた

 

意外だったのは、100年以上前から女優たちはスタントをしていたということ。

確かに、冒険ストーリーが多かったみたいです。

 

かつては(現代のような)安全策もないまま列車に飛び乗ったり、馬で走ったり、火災にあったり、階段から落ちたり

男性が女装してスタントをすることもありました。

 

1910年代には、スタントをするのは女性、女性監督も多く映画会社の女性経営者も80年代より多かったそうです。

 

映画産業が大きくなるにつれて男社会に変わっていったと紹介されました。

 

同時に、女性の地位、人種問題が知られるようになったとも。

女性スタントは男性のスタント協会には入ることができず、黒人スタント協会に参加を認められたそうです。

 

「フォクシー・ブラウン」でパム・グリア(格好よかった!!)のスタントダブルだったジェイディ・デイビッドは、70年代以降の差別問題についても語っています。

70年代には、災害映画などの大作が増えたこともスタントが求められるようになった理由のひとつだそうです。

 

安全のため、差別撤廃のため

 

活躍の場が広がったのは、先人たちの行動があればこそ。もちろん、スケールが大きくなるにしたがって、安全対策がとても重要になってきます

 

「マトリックス」のように、周囲の車の動きも大切です。

格闘シーンでは、動きを一つ一つ念入りに確認しながらリハーサル。↓「ウエストワールド」です。

 
 
 
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危険なお仕事ですから、死亡事故や重大な事故についても話されます。

出演者もプロデューサーも口を揃えるのは、仲間を失うのは家族を失うことと同じ、スタントより命が大事ということ。

 

骨折や、重大事故すれすれの経験談も多くありました。あのシーンは合成じゃなかったのか・・・と腰を抜かす作品も多かったです。

それに、何といってもチームプレイ。スタントパフォーマーだけでなく、チーム全員のタイミングが合わないと事故につながります

 

デビー・エバンスは「目を閉じてスタントをイメージする。イメージできないときは、何か欠陥がある。再点検が必要」と言います。

(これ、スタントに限らず、そう思います)

 

映画「X-ファイル」のアクション監督、メリッサ・スタッブスは、ドラマ「X-ファイル」にスタントとして参加。

現在は、CGを大いに活用し、緻密なシナリオを作って撮影を進めているそうです。

 

CGや先進技術で安全を確保しながら、人間でなくてはできない技を見ることができたら素晴らしいですね。

新しい世代が育っていることが頼もしいです。

 

 

 

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