カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「LAW & ORDER: SVU 性犯罪特捜班」シーズン21Ep17 感想 ~ バレエ団での日常化した虐待を捜査

FOX放送中のシーズン21第17話「バレエと嘘とビデオテープ(Dance, Lies, And Videotapeネタバレ感想です。

 

↓リハーサル中のバレエ団。

内容はタイトルから想像される通り、動画から始まります。

米NBCで2020年3月26日放映の17話です。

 

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バレエダンサーの盗撮動画が投稿される

 

厳しいリハーサルが行われるバレエ団。最初の被害者は、これが公演デビューとなるデリアでした。

劇場内、衣裳部屋の奥の通称“スタジオX”でセックス動画を撮られ、投稿され、子供のバレエ教室を解雇されてしまいます。

映像は可愛かったんですが・・・

 

デリアは、優しく紳士的なブラッドと交際を始めたばかりでした。

そして当然ブラッドはカメラのことを知っていたと分かります。さらに、ポルノサイトに投稿したジェイソン仲間のエドワード男性ダンサー3名が関わっていました

 

↓はポルノサイトの運営者です。食えないクセありオヤジで、演じているのは懐かしのジョン・ウォーターズでした!

 
 
 
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表現の自由がある、削除しても意味はないと慣れている様子。検事補のカリシ(ピーター・スカナヴィーノ)アマンダ・ロリンズ刑事(ケリー・ギディッシュ)も粘りましたが、投稿者を特定するのが精いっぱいでした。

実際、拡散されたらすべてを削除することはできず、後にはデリアの個人情報までアップされてしまいます。

 

バレエ団でレイプが常態化していると捜査

 

調べると、動画を撮られたのはデリア一人ではなかったと分かります。複数の女性ダンサーが被害者にあっていました。

 

ブラッドの母は弁護士で、ブラッドとエドワードは「悪ふざけだった。一種のゲームだ」と言い逃れしようとします。

 

ブラッドとエドワードは証言する代わりに軽罪のハラスメントで取引。

ジェイソンの容疑は盗撮・拡散・リベンジポルノですが、リベンジポルノは反対派も多く適用しづらいそうです。

 

しかしそのことをジェイソンは知らないため、カリシとオリビア・ベンソン警部(マリスカ・ハージティ)は取り調べでジェイソンを脅し、情報を引き出します。

 

男性ダンサーたちは動画を振付師のサーシャに見せ、これがある種のオーディションとなり、サーシャが気に入った女性を誘い、相手が応じたら動画を消すことになっていました。

 

整理すると、
●被害者は、デリアのほかに、ベック、グレース、プリマのアシュリーなど。
●動画を撮影していた男性ダンサーは、ジェイソン、ブラッド、エドワード
●そして、動画を見て配役と引き換えにセックスを強要していたのが振付師のサーシャ
芸術監督のアリスターも疑わしいですね。

 

そして女性ダンサーたちは役と引き換えなので誰も証言しようとしません。

バレエの世界では男性と女性の数は1 : 20。男性は解雇されないとも。

サーシャの行為は有名でしたが、ソロか解雇といわれては誰も逆らえません

オリビアは、女性たちがレイプを否定するのはレイプが日常化している証拠、感覚がマヒしているといいます。

 

カトリオーナ“キャット”タミン刑事(ジェイミー・グレイ・ハイダー)はデリアの友達である男性ダンサー、ハドソンに話を聞きにいきました。現在リハビリ中で、おそらくゲイなのでしょう。

バレエはストレート男性の世界だ、成功には代償が伴う、みんな覚悟していると言い、復帰のために証言を拒みました。

 

ようやく見つけたのが、退団したローズ。摂食障害治療センターで治療中です。

退団したきっかけは、資金集めのオークション。プリマとのディナー権が出品され、ディナー以外のことも求められる。

アリスターに、断れば動画を流出させ、それを理由に追放すると言われたためでした。

 

容疑は性的人身売買。カルドゥーンが潜入捜査です

 

お金のためにセックスを強要されるという事まで行われていました。

そこで、自白を引き出すために潜入捜査です。ロリンズの案で、14話に登場した鉄道班のカルドゥーン巡査(Ari'el Stachel)に協力要請。

成功したIT起業家としてパーティに潜入することになりました。

 

カルドゥーンは、芸術を支援してNYで名を売りたい、私も過去の支援者と同じように恩恵を受けたいとアリスターに話し、アシュリーとのディナー権を落札。↓盗聴します。

部屋に来たアシュリーは今夜だけ、セーフセックスでと確認していました。

 

連行されると命令されただけと言いますが、アリスターが守ってくれると思うのか? と追及されてようやく具体的な話をします。

選ばれたのは他の子と同じで動画だと言っていました。

 

この証言をもとに、芸術監督アリスター・ウッドフォードと振付師サーシャ・トーマスを逮捕。

 
 
 
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アリスターは「私は芸術を守ってきた男だぞ」とわめきますが、オリビアは「レイプ魔を利用した性的人身売買よ」と怒ってました。

 

後日、レストランで働くデリアに会いに来たオリビア。

アリスターとサーシャは取引をして禁固刑、ジェイソンは数か月刑務所に、ブラッドとエドワードも解雇・・・など、その後が語られます。

 

バレエ団は女性だけの芸術チームを雇ったそうですが、デリアは復帰は怖いと言います。頭に浮かぶのは、観客が私の動画を見ている風景よ、この先、消えることはないと動画の恐怖を語って終わりました。

  

~~~~~感想~~~~~

 

●リベンジポルノと性的虐待×パワハラがテーマでした。

オリビアが言うように「バレエ界だけじゃない。教会、報道機関、映画業界、誰もボスには逆らえない」。↓プレデター(捕食者)という言葉を使ってます。

 

最後にバレエ団の理事会が重く受け止めたことはよかったと思います。

芸術監督+振付が女性になったわけですが、男性であってもしっかりした人選が必要ということで。

 

NYですし、最初にメトロポリタンオペラを思い出してしました。今年亡くなったジェームズ・レヴァインが名誉音楽監督を解雇されたのは2018年でしたね。

ニューヨーク・シティ・バレエの芸術監督ピーター・マーティンスの解雇も2018年。ボリショイ・バレエやパリ・オペラ座での問題も報道されました。

 

さらに性的虐待や犯罪でほかにも色んなビッグアーティストの名前があがりましたが、コンプライアンスってほんとうに大事だと思います。

 

大変な努力をして芸術を体現する人たちが舞台に専念できることを祈っています。そのためにMe Too運動に参加した人、捜査した人、決定を下す関係者の努力を応援したいです。

 

それから、バレエ団の名前は国立バレエ団になっていました。

もちろんアメリカに国立はありませんが(ないはず)トップ・オブ・トップの権威ある団体と位置付けたということだと思います。しっかり危機意識をアピールする狙いが堂々としているなあと思いました。

 

●ところで、SNSではやたらポルノサイトのおじさんの写真が出てくるので何だろうと思ったら、ジョン・ウォーターズだったのですね。ディヴァインの「ピンク・フラミンゴ」を思い出しました。あと「ポリエステル」とか「ヘアスプレー」とか。

 

アメリカ映画界のレジェンドなのですね。シーズン22でも再登場するみたいです。役名は同じくPornmonger Man。

 

●最後に新スピンオフ「LAW & ORDER: ORGANIZED CRIME」より。

やっとタマラ・テイラー(「BONES」のサローヤン博士)の写真を見つけたので貼っておきます♪

 
 
 
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