カノンの海外ドラマ漂流記

気ままな海外ドラマ中心のブログです。ネタバレ記事中心です。

ドラマ「ホルストン」感想 ~ 70年代NYカルチャーが好きなら。Netflix

ユアン・マクレガー主演ファッションデザイナー、ホルストンを描いたNetflixオリジナルドラマ「Halston」(全5話)ようやく見ました~♬ 

ネタバレ感想です。

 
 
 
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一世を風靡した天才デザイナーの栄光と転落を描く・・・という感じでしょうか。

1960~80年代、特に大活躍の70年代を中心としたお話です。当時の雰囲気が楽しかった!

 

きっとファッションの歴史に詳しい人が見たら色んな発見があるんだと思います。

個人的には、70年代のNYカルチャーシーンについて読んだり聞いたりしていた時期があって、その頃のことを思い出して懐かしかったです。

 

1991年に出版された本「Simply Halston」に基づいているそうです。

 

なお、amazon prime originalの「ホルストン」はCNN Filmsのドキュメンタリー。友人・家族・仕事仲間へのインタビュー+本人の映像+再現VTRらしく、これも見てみたいです。
 

 

簡単解説

 

ホルストンは、才能に溢れているけど、自信家で傲慢な男です

 

そのはちゃめちゃな快進撃と、自業自得で?破滅するストーリーなんですが、きっと、かなり、たぶん実際の出来事をたくさん盛り込んでるみたいです。

歴史的な資料はたくさん残ってますからね。

 

共感できない主人公なんですが、その危うさを表現したユアン・マクレガー、適役でした。

 

実在のキャラクターだらけです。たぶん。知らない人も多いけど、何となく馴染みのある名前がたくさんでてきて楽しかった。

 

なんといっても、当時のパーティシーンやイベントやインテリアを再現していて、時代をきっちり描いているところがポイントでしょうか。

 
 
 
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世界一の経済大国でも、芸術・文化の面ではヨーロッパから一段低く見られていたアメリカのカルチャーが、世界を席巻していく時代のお話です。

 

実在のキャラクターがいっぱい

 

■ホルストン(ユアン・マクレガー)

本名ロイ・ホルストン・フロウィック。子供の頃、母親にお花で帽子を作るシーン、父親に暴力を振るわれていた回想シーンがでてきます。本当のところは分かりません。

 
 
 
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帽子デザイナーとして出発。ジャッキー・ケネディが愛用したことで有名になります。

お店はNYのバーグドルフ・グッドマンにありました。映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」を思い出しました。

 

↓は1964年の写真らしいです。

今もキラキラのバーグドルフ・グッドマン、当時の雰囲気たっぷりで素敵でした💖 

 
 
 
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同じころ、ネクタイから始めたラルフ・ローレンが服に進出して成功したことを見て、自分も洋服のデザインを始めます。

 

人気が出ますが、後に大資本と提携して香水、バッグ、寝具やスポーツウエアなど手を広げ過ぎて失敗したようです。

浪費癖もけたはずれで、大好きな蘭の花だけで一年間に10万ドル以上使っていたとか。

 

経営センスのない傲慢な天才だったと描かれていて、実際そうだったんでしょう、見ていてつらくなる部分も多いです・・・。

 

1932年生まれ、1990年にエイズによる病気で亡くなります。

 
 
 
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↑も本人。洋服やサングラスなどなど、見事に再現されてます。仕事場の雰囲気も残っている写真のままで興味深かった。

 

↓自宅もこのまんまでした!

 
 
 
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ほかに、オリンピックタワーのオフィス、モントークの別荘も忠実に再現し、撮影したそうです。

 

登場しないけど、交友のあった有名人は

懐かしい写真をいっぱい発見したので幾つか。劇中には登場しない人も多いですが。

 

↓女優のマリサ・ベレンソン! 祖母はエルザ・スキャパレッリです。有名な写真ですが、ホルストンの服だったのですね。

 
 
 
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↓左はビアンカ・ジャガー、右はライザ・ミネリ。

ライザ・ミネリは大親友としてメインキャラクターとして登場します。ビアンカは有名なスタジオ54の誕生日パーティに一瞬登場。馬に乗ってたの、ビアンカですよね。たぶん。

 
 
 
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↓中央はビアンカ・ジャガー、右はアンディ・ウォーホル。絶対、登場すると思っていたので残念!!

 
 
 
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↓スタジオ54でのビアンカ&ミック・ジャガー。

 
 
 
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↓ジャッキーの妹、リー・ラジウィルも顧客のひとり。

 
 
 
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↓トルーマン・カポーティ主催の伝説の舞踏会「ブラック&ホワイト」でのキャンディス・バーゲン。マスクがホルストン。カポーティも登場はしていません。 

 
 
 
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↓ナオミ・シムズです。初のアフリカ系スーパーモデルといわれ、ホルストンのミューズの1人。

 
 
 
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↓パット・クリーブランドもモデルとして登場していたと思います。 

 
 
 
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・・・などなど、さらにエリザベス・テイラーやジェリー・ホールなどとの写真も多くて、たくさんの有名人に愛されました。

 

キラッキラの70年代パリピの殿堂といいましょうか、スタジオ54での派手なパーティが何度もでてきます。凝ってます。

 

■親友ライザ・ミネリ(クリスタ・ロドリゲス)

下積み時代から衣裳を手掛け、いっしょにスター街道を駆け上がった戦友のような存在。歌もダンスも素敵でした。一番上の写真では5枚目です。

 
 
 
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つらい時も支え合いますが、ライザが結婚したこともホルストンが不安定になった原因の一つと描かれていました。

 

↓は実際の2人。撮影はマリサ・ベレンソンの妹ベリー・ベレンソンらしい。

ライザは、エルサ・ペレッティのブレスレットをしています。 

 
 
 
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■モデル・デザイナー、エルサ・ペレッティ(レベッカ・デイアン)

 
 
 
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演じるレベッカ・デイアンはフランス人の女優さん。

↑2枚目がご本人です。3枚目は左から、エルサ、ホルストン、ジョー・ユーラ、ビクター・ヒューゴ。

 

最初は仕事仲間、ミューズでありデザインチームの一員で、後にホルストンがティファニーに紹介します

エルサはホルストンを愛していたと告白しますが、ホルストンはゲイなので受け入れられず。本当はどうか分かりませんが。

 

最初は強力なチームの一員でしたが、ティファニーで成功するにつれて仲違いをしてしまいます。

 

いちばんツボったキャラクターがこの人。

↓個人的には、もうこの雰囲気をばっちり再現してくれたので最高でした!

 
 
 
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大好きでした~~、ティファニーのアクセサリー💖そして今年、お亡くなりになったニュースが・・・ほんとうに残念。

ハートのピアス、今も持っているはず。どこかにあるはず・・・

 

↓香水瓶のアクセサリーは、もともとはホルストンの香水のためのデザインだったのですね。

 
 
 
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上でライザ・ミネリがつけていたブレスレットは、かなり早い段階から登場人物たちがつけていたので、個人で作っていたのかな。

↓竹や漆など、京都の職人さんと作ったものも多かった。かっこいいです。

 
 
 
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昔はシルバーのアクセサリー、可愛いなあと思っていましたが、いま見ると現代アートですな。

この才能を引き出したのはホルストンということでしょうか。

 

ホルストンの洋服は知らなかったので(今もあるのですね)見覚えのあるアクセサリーがでてきて楽しかったです。

 

↓はドラマには登場しませんが、とっても有名なヘルムート・ニュートンの写真。モデルがエルサ・ペレッティ、コスチュームはホルストン。 

 
 
 
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■社交界の女王、ベイブ・ペイリー

登場シーンはほんの一瞬ですが。

カポーティが「スワン」と呼んだ社交界の女性たちのなかでも最も洗練された伝説的な存在。

↑この本の表紙の女性です。

 

それはそれは洗練されたセンスと美しさと知性の持ち主だったそうな。

おしゃれなだけでなく、礼儀作法や社交術やインテリアのセンスもふくめて尊敬される人だったみたいです。インテリアコーディネートはあらゆる分野の知識が必要なので、最高難度らしいです。

で、CBSの会長夫人

 

当時のファッションリーダー、上流階級のインフルエンサーというところでしょうか。

 

ホルストンの帽子はジャッキーが大統領就任式でかぶって有名になったわけですが、洋服では苦戦。

そこでベイブ・ペイリーを呼んで認めてもらう作戦でした。

 

無事、気に入ってもらえて人気に火がつくことになります。

 

■ファッション界の立役者、エレノア・ランバート

この人のことは知りませんでしたが、前半のハイライトを演出します。

 
 
 
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アメリカのファッション業界の実力者のようですね。パブリシストと書かれていました。

広告代理店→美術畑の出身らしく、MOMA設立やホイットニー美術館にも関わっていたらしい。ジャクソン・ポラック、イサム・ノグチなどの代理人?だったこともあるとか。

 

で、1973年“The Battle of Versailles Fashion Show”なるイベントを企画します。ベルサイユ宮殿が会場の、米仏ファッション対決のようなもの。

ベルサイユ宮殿の復旧工事のための資金集めイベントという名目でした。

 

エレノアさんは、アメリカの文化度を認めさせたいと言ってました。

 

米仏それぞれのチームがファッションショーを行うというもので、ここでホルストンは大成功を収めるわけです。 

 
 
 
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アメリカチームは、オスカー・デ・ラ・レンタ、ホルストン、ビル・ブラス、スティーブン・バロウズ、アン・クライン(とアシスタントのダナ・キャラン)など、フランスチームは、サンローラン、ピエール・カルダン、ウンガロ、ジバンシー、マルク・ボアンなど。

 

・・・私でも知ってる名前が多いわ~~とびっくりしました😲 きっと大きな話題になったのでしょうね。

 

トリじゃなきゃいやだ、と駄々をこねるホルストンをあの手この手でねじ伏せ(トリはオスカー・デ・ラ・レンタ。次はこの人で作ってほしいなあ)、大企業のデビッド・マホーニーが資金協力をしてビジネス展開をしていくことになります。(上の写真、左)

 

「Versailles '73: American Runway Revolution」というドキュメンタリー映画があるそうで見てみたいです。

 

ちなみに。

ドラマとは関係ないのですが、エレノア・ランバートは業界団体CFDAの設立者の一人でした(The Council of Fashion Designers of America)。権威ある賞を作ったり、1948年に「METガラ」を始めた人

 

「METガラ」はメトロポリタン美術館コスチュームインスティテュートのための資金集めイベントで、毎年、ド派手なセレブの写真が大量に出回りますね。

 

奇抜な格好のセレブ写真をへーーと見てるだけでしたけど、今年のテーマは「American Independence」だそうで、アメリカのデザイナーたちが中心になるんでしょう。

 

例年5月開催(去年はコロナで中止)今年は9月だそうです。ホルストンの衣装も登場するかもしれません。

 

ということは、もともとはMETガラ開催に合わせた公開だったのかな? と思ってしまいました。

 

↓は2019です。歴史あるイベントかと思うと面白さが増します。

 

■ファッションイラストレーター、ジョー・ユーラ(デビッド・ピットゥ)

始まりからホルストンを支え、最後に和解。この後も長く活躍したらしい。

 

■デザインチーム、ジョエル・シューマッハ(ロリー・カルキン)

見習いのような形で参加。タイダイなどヒット作のアイデアを出しますが、クスリでクビに。(仕事中はクスリはやっていなかったと語っています)

後に映画「セント・エルモス・ファイアー」「オペラ座の怪人」「バットマン フォーエバー」などの監督になりました。

 

■恋人ビクター・ヒューゴ(ジャン・フランコ・ロドリゲス)

愛憎半ばする長年の恋人。いっしょに仕事もしますが、ワイルドでわがままな裏切り者でもある。

同性愛者であることを暴露することになります。

 

実際の写真にそっくりで(↓の右)、リアリティはあるのでしょうけど・・・濃ゆ~い男同士のラブシーンは苦手でした。。

 
 
 
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アンディ・ウォーホルのザ・ファクトリーの一員でもありました。

 

■舞踏家マーサ・グラハム(メアリー・ベス・ペイル)

信頼しあった友達として登場。

 

1984年、創作意欲は衰え、経営陣と衝突し、忘れられつつあったホルストンに舞台衣裳を依頼。素晴らしい評価を得ました。

 

マーサ・グラハム、素晴らしい才能でしたね。個人的にモダンダンスをはじめて意識した人で、衝撃でした。

 

↓アンディ・ウォーホルによる作品。 

 

最後に

 

製作はライアン・マーフィ。「glee」や「アメリカン・ホラー・ストーリー」「ボーイズ・イン・ザ・バンド」「ザ・プロム」「ハリウッド」「9-1-1」などなど。

 

スタジオ54は、ライアン・マーフィらしいド派手で熱狂的なシーンの連続。
↓は実際の写真です。

 
 
 
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時代の雰囲気を楽しむ作品でした。

ホルストンの服はふわっとした布をまとう感じのドレスやジャンプスーツが代表作でしょうか。

 

60年代の構築的な服に対し、快適で流れるような生地を使い、アメリカのファッションを変えた、アメリカのスタイルを定義した、と評され、後のデザイナーたちに大きな影響を与えたそうです。

 
 
 
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↑は1978年の写真ですが、だんだんとギラッギラの80年代風味になっていくような。

 

デザイナーは、アーティストとして才能だけで勝負するのではなく、戦略的なビジネスセンスも必要な時代になってきていたということが分かります。

 

ジーンズはハイファッションに合わないと拒否していたホルストンですが、カルバン・クラインは成功します。

ブルック・シールズ(だったと思う)を起用したコマーシャルも流れました。懐かしい~

 

多角的な “ライセンスビジネス” は賛否あるのでしょうけど、成功を収めたデザイナーも多かったわけで、ひとつのビジネスモデルが生まれる転換期だったのかもしれません。

 

理想主義でわがまま放題のホルストンは、経営側と折り合えず(助言者はたくさんいたのに)最後は追い出されてしまいます

 

それから、80年代の同性愛問題

自由すぎる60~70年代から社会が変わっていくのと並行して、エイズはゲイの病気という偏見が吹き上がった時代でもあります。

 

当時のハードゲイ(という言葉でよかったのかな)のイメージを思い起こさせ、薬物問題とあわせ、正面から切迫感を描いたところはライアン・マーフィらしいということでしょうか。

 

最後は孤独なホルストンがドライブするシーンで終わります。

転落という意味では切ない物語でしたが、あの時代のエネルギーを楽しむことができました。

 

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