カノンの海外ドラマ漂流記

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医療ドラマ「ピュア・ジーニアス」見ました ~ テクノロジーの進化に望むこと

米CBSで2016~17にかけて計13話放映された医療ドラマです。hulu配信の正式タイトルは、「ピュア・ジーニアス ハイテク医療の革命児」

以下、ネタバレ感想です。

 

めちゃくちゃ傑作かといわれるとそういうオススメではありませんが・・・医療×最新テクノロジーという題材は興味深いので視聴しました。

真面目にテンポよくきちんと作られたドラマだと思います。

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タイトル通り、ハイテクを駆使して理想の医療を実現しようとする天才君が主人公。

IT界で成功したビリオネアが、理想の最先端病院「バンカーヒル」を作り、優秀な医師・スタッフを集めて難病に挑みます

コンセプトはとっても面白そう! 

夢の(未来の?)最先端テクノロジーが面白くって、でも難しくてよく分からなかったり、感動のヒューマンドラマ部分がとっちらかっていたりするんですが、いろいろ考えさせられました。

 

だって、いずれ、多分、きっとこういう未来がやって来る! という夢(と問題点)を描きたかったはずで、他人事の絵空事じゃないよね、みたいな。

 

でも、少々まとまりに欠けてたのかな、1シーズンで打ち切りとなりました。地味ですし。(残念ポイントは最後にまとめます。)

 

とはいえ、とっても真面目にいろんなケースを取り上げていて、テクノロジー部分はスカッと気持ちいいし(よく理解できないけど)、面白いキャラもいたのでまとめてみます。

 

ちなみに、ワタクシは医学知識ゼロなので、あくまで素人の感想文でございます。

 

主な病院スタッフはこの7人

■CEOジェームズ・ベル(オーガスタス・プリュー)

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シリコンバレーで大成功したジェームズが病院「バンカーヒル」の創設者。自由で大胆でいかにもIT少年ぽい雰囲気もあって、強引だけど憎めないキャラでした。

実は、難病の遺伝子をもっていることも病院を作った理由のひとつ。ウォレスだけに打ち明けます。

 

演じるAugustus Prewは1987年、ロンドン生まれ。「アバウト・ア・ボーイ」など子役から活躍しています。

丸顔のぼんぼん風味で、顔芸が面白くて、軽妙ではまり役。今後が楽しみな俳優さんですね🎉

 

■外科医ウォルター・ウォレス(ダーモット・マローニー)

世界的にも有名な医師。幼い患者のために未認可の治療をして追放されるものの、ジェームズに誘われ「バンカーヒル」のチーフに。

冷静沈着、神業のような手術の腕をもっているが、息子は難しいお年頃、FDA(アメリカ食品医薬品局勤務の妻とは離れて暮らしていて問題勃発。

 

Dermot Mulroneyは1963年、ヴァージニア州生まれ。いろんな映画・TVドラマで見かけるベテランさん。さすがの存在感で、グイッと引き締めてくれます。

ジェームズの暴走を止める役目もあります。

この人の立場や考え方やパーソナルドラマは見ごたえありました!

 

■小児科・救命救急医ゾーイ・ブロケット(オデット・アナブル)
 
 
 
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熱心な医師でマリクと交際。実はジェームズが恋しているけど報われない相手でもある。一応ヒロインなのでしょうが・・・個人的に、とっても苦手でした。

ヒステリックで共感できなくなり・・・ファンの方、ごめんなさい💦 一生懸命で時に問題を起こすまだ若い医師という役どころ。キャラ設定のせいなのか演技が理由なのかわかりません・・・

 

Odette AnnableはLA出身。「Dr.HOUSE」のジェシカでしたか。いろんな作品で活躍中。

 

■脳神経外科医タライカ・チャンナラヤパトラ(レシュマ・シェティ)
 
 
 
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ウォレスと協力することも多い優秀な医師。家族に反対されながら医学の道に進んだらしい。オープンにしない思いを抱えているみたいで、でも真摯で信頼されるキャラクターです。

 

演じるのはReshma Shetty。1977年、英マンチェスター出身。「救命医ハンク」のディヴィヤです❣ 念願の医師になれてよかったです~。毎回、登場シーンが楽しみでした。

 

■遠隔監視の責任者でもある医師マリク・ヴァーライン(アーロン・ジェニングス)

最新のEHUBを使ってリアルタイムで患者の状態を把握、救急と連携して治療を行います。貧しい地域の医療にも積極的に関わる心やさしい医師🙂ゾーイと交際しているが、ジェームズの気持ちにも気づいて複雑。

 

Aaron Jenningsは1989年LA生まれ、俳優一家の出です。ダコタ・ジョンソンと高校の同級生という情報あり。

 

■神経内科医スコット・ストラウス(ウォード・ホートン)

静かで穏やかでミステリアスな雰囲気なのは、カトリックの神父だから。感情をあらわにすることなく、冷静に説得することが多い。宗教も医学も人を救う目的は同じと話していました。昼休みに1人中庭で祈っていたりする。

 

Ward Hortonは1976年、ニュージャージー州生まれ。俳優になる前は投資銀行に勤めていたそうです。イメージのまんま。映画・TVドラマのほか舞台「トーチソング・トリロジー」にも🎵

 

■バイオメディカル・エンジニア、アンジー・チェン(ブレンダ・ソング)

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ジェームズが認めた天才的エンジニア。どんなに難しい新しいツールもプログラムも作ってしまう。明るくチャーミングなムードメイカーでもある。最終回では、ずっと思っていたスコットにキスするところで終わりました💛

 

Brenda Songは1988年、カリフォルニア州生まれ。タイ、ミャオ族にルーツをもちます。キッズモデルから始まりディズニーチャンネルで人気に。最近では、マコーレー・カルキンとの間に子供が生まれてニュースになっていましたね。

 

毎回、驚きのアイデアを実現して治療に生かします

 

いちばんの面白さは、何といっても治療のアイデア

患者の受け入れが決まると、まず全員で分析や治療方針を話し合います。どんなに難しくても、「No」 と言わないのがバンカーヒル。

 

例えば、交通事故で両脚の骨が粉々になった少年のケース。切断しかないと思われますが、蜘蛛の糸が登場!

骨の欠片が小さく数が多いため、ボトルで留めることができません。

そこで、人体に害のない蜘蛛の糸(シルクと言っていたような)でまとめた骨を包み込むという手術。

骨がくっついたあとは(こういう言い方でいいのか不明ですが)自然に溶けるらしいです。

 

自然界由来の「糸」はいろんなドラマに登場しますね。何かのドラマで蚕も登場していたような気がします。安全で強力な素材の研究は世界中で進んでいるんでしょう。

 

それから、同時に4か所の手術が必要な患者の場合、ロボットにプログラミングして行おうとします。

が、AIが効率的な判断をした結果、脳に危険が及ぶとして、脳外科手術のみ人間が行うことにしたり↓

 

昏睡状態の患者の脳にチップを埋め込んで、母親の脳から直接話しかけて刺激する方法や、痛みを取り除くために脳にプログラムするなど、きっとすでに実験中なのかもと思いました。

 

難しい手術のためには、精密な模型を3Dプリンターで作って何度も最良の方法を探ります↓

 

ロボット手術といえば、宇宙ステーションでも↓

 

T細胞を用いたがんの治療、腎臓移植の世界規模のネットワーク構築、やはり3Dプリンターを活用した人工肺や人工子宮で救う未熟児のお話など、どれも引き込まれます。

それぞれに薬物や家族の問題、DV、トラウマなどがからんできます。

 

もちろんすべてが成功するわけでなく、限界はあります。

↑クリスマスには、余命わずかな歌の好きな少女のために、フィリップ・フィリップスと友人たちが病室に集まるエピソードでした。

 

ジェームズ自身の病気がテーマになる予定だった? 鍵は倫理観

 

個別のエピソードとは別に、全体を通した大きなテーマがジェームズの病気、GSS

ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病は、クロイツフェルト・ヤコブ病などと同じく、プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性の病気とのこと。

 

すでに発症しているGSSの患者を受け入れます。

(ちなみにこの病院は、難病の患者や、貧しい患者も受け入れています。基準はよく分かりません。他の病院ではあきらめざるを得なかったこと、かな)

 

GSSのために開発した新薬で治療を始めたいのですが、FDAの許可はおりません。ウォレスの妻がその担当なのでした。

 

まだ症状はでていないものの、5年以内に発症する可能性が高いジェームズ。受け入れた患者に新薬を投与し、回復の兆しが見えたところで終わりました。

 

救える手立てがあるのに・・・という状況ですが、充分な治験がなくては許可できません。

この解決法がシーズン2の大きなテーマになるはずだったんだと思います。

 

できたら、独創的なテクノロジーで解決してほしかったなあ。

医療倫理はしっかりと描くべきですから。

 

ウォレスとジェームズは苦悩しながら治療を行うわけですが(もちろんウォレスは投与を止めようとします)、ゾーイは腎臓移植の回に突っ走ります。

このあたりが共感できないところで、切羽詰まった行動というより、単なる正義感の暴走に見えてしまう。(本来なら解雇もの)

 

明確な倫理とルール×爽快なテクノロジーのアイデアの両立が見たかったのに・・・という部分が残念でした。

 

「医療界の革命児」というなら、誰もが納得できる倫理規定ははずせませんから。新しいことを始めるなら、避けて通れないはず。

 

ここが、どう展開するのか一番楽しみにしていた部分でした。(この段階では、まだジェームズは子供っぽいところがあるのでどう変わるか気になってたのに・・・)

 

 

それ以外で残念ポイントはですね、まず、恋愛パートがケミストリーゼロ。

ゾーイ&ジェームズもゾーイ&マリクも退屈に感じてしまうのは個人の受け止め方なのでどうでもいいんですが。新しい恋人候補も含めて、メインの恋愛パートは魅力無しという珍しいドラマでした・・・。(あくまで個人の感想です💦)

 

ウォレス夫妻は大人のドラマで重たいけどリアリティあります。アンジー&スコットは何だか可愛くて楽しみだったんですけど、キス一回で終わりました。

いずれにしても、狭い世界にカップルだらけというのは食傷気味なので、それよりメインのテーマがどう描かれるのか。これからだっただけに残念でした。

 

残念ポイントその2は。

ヒューマンドラマのストーリー自体は見ごたえ充分です。そこに毎回、最後に感動的な歌が流れるんですが、そこまで説明しなくてもいいんじゃないかい、とお腹いっぱいになったのでした。

無理にびっくりテクノロジーとのバランスを取らなくても充分なんじゃないかと個人的には感じます。

 

とはいえ、IMDbでは7.3/10と悪い評価ではありません。

テクノロジーの進化で何が変わるのか、うんと近い将来に具体的に何を期待できるのか、何を望むのか、いろんな想像ができます。ヴィジュアルも凝ってます。

難しいことは分からないけどちゃんと監修されていると思うので、実現可能な、あるいは研究が進んでいるものが登場しているんじゃないでしょうか。

 

夢物語ですが、未来への希望を感じさせる描写は楽しめました。あくまでも、テクノロジーを駆使した驚きのアイデアがメインのドラマです。

 

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