カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン5Ep6 感想 ~ ヘイスティングス警視の容疑をどう晴らす? Netflix

2019年に放映された「Line of Duty」シーズン5最終話(第6話)のネタバレ感想です。前回はこちら、メインキャスト3人についてはこちらへ

 

本国・英BBCではシーズン6が完結! 内容は追わないことにしておりますが、ついSNSで目に留まってしまう話題もありまして・・・。

 

↓記録的な視聴率だったみたいです🎊 最終回(第7話)の視聴者数は1280万人? 何かが56.2%らしい。日本の視聴率とは集計方法が違うでしょうが、とってもたくさんの人が見たってことですよね。

 

さて、いよいよシーズン5フィナーレ。1時間24分の拡大版です。前回、「H」としてジョン・コーベット殺害に関わった容疑で逮捕されたヘイスティングス警視

 

全編ヘイスティングス警視の聴取です! インタビュールームに座りっぱなしでパトリシア・カーマイケル警視正と対決。緊迫の長時間会話劇でした! つまり・・・疲れます・・・😅

一方、スティーブとケイトは真相を探るべく走り回ってます。時折、あちこち捜査に突撃するシーンがはさまれて、クライマックスへ向かいます!

 

 

カーマイケル警視正は、ヘイスティングス警視が「H」だと証明する方針

 

今シーズン後半の中心人物はパトリシア・カーマイケル警視正(アンナ・マクスウェル・マーティン)。氷のような冷たーい実力者です。

冷静な口調で理論的に情け容赦なく突進するタイプ。

昔からテッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)とはライバル関係でしょうか、相性が悪いみたいです。

汚職特捜班AC-12のトップが逮捕されたので、AC-12ではなくカーマイケル警視正のチーム、AC-3が捜査を指揮します。

 

で、まずはケイト・フレミング警部補(ヴィッキー・マクルーア)スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン)を呼んではっきり告げたのが上のシーン。

「情報はすべて私と部下に教えて」協力しないと疑われるとうことです。

 

タトリーンは、ジョン・コーベットの母アンマリーが失踪した1980年代、王立アルスター警察隊にいたヘイスティングス警視が聴取を受けていたことを調べ上げました。

まずは真実を暴くのが先というケイト。

テッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)が有罪ならケイトとスティーブも共犯を疑われるし、無罪なら裏切者になります。

 

3人で話しているとAC-3のシェル・ブランディス警部補がやって来て「情報はすべて渡してください」。ケイトが「私たちはAC-12よ。手順はわかってる。容疑者じゃないんだから消えて」は格好良かったですね。表情を変えない冷静な口調で強い言葉を使ってました。

 

警視総監、警視監補、そして法律顧問ジルの方針は

 

この3人は警察全体の方針を話し合うシーンが多いです。作戦や方針に法的な問題がないか、情報公開をどこまで行うかなど。

法律顧問ジル・ビガロー(ポリー・ウォーカー)ローハン・シンドワニ警視総監アンドレア・ワイズ警視監補に対する影響力が大きいことがわかります。

 

今回も冒頭で、市民はナシの木作戦より巡回強化を求めている、と暗に汚職についての情報公開は控えるよう発言していました。

むしろ、「ヘイスティングス警視の聴取は完璧でないと」と聴取に関わる言質をとることが目的のようでした。

 

【ヘイスティングス警視】聴取では、ジョン・コーベットとの関係や証拠が示される

 

場所はAC-12のオフィス。いよいよ聴取が始まります。

このときの状況は

●最初からジルが参加。手続きが適正か確認のための立ち会い。

●逮捕から拘束は24時間。その後に釈放か殺人共謀で起訴が決まる状況。

●なお、過去に銃を使った逃亡事件があったので(シーズン3、4)人払いをしてカーマイケル警視正の部下が警備にあたる。

●聴取に当たるのは、前回同様、カーマイケル警視正、ミシェル・ブランディス警部補、ティナ・トランター巡査の3名。

ヘイスティングス警視側は、弁護士(おなじみの警察官連盟の人かな)、ジル。

 

以下、気になるポイントだけまとめます。実際は答えづらい順番に質問をしていって、その追いつめ方が醍醐味だったりするんですが。

 

■ジョン・コーベット殺害容疑

●スティーブに発砲命令を出した理由を問われ

➡妻への暴行、マニートを(間接的に)殺した復讐心ではないか? 人命救助が最優先だったと答えます。

●ジョンが潜入捜査官とばらしたと決めつけているようす

➡キャファティ巡査部長の家で捕まったリー・バンクスに刑務所で面会し、組織に伝わると思ってばらしたのではないか? もちろん否定します。

 

■北アイルランド時代

●ヘイスティングス警視の経歴は、1982年・王立アルスター警察隊に入る、巡査として7年勤務、1989年・巡査部長に昇進し、転職→ロンドンへ。

●勤務地は西ベルファスト。当時のクランフォード巡査部長によると、カトリックだった。ヘイスティングス警視の父はプロテスタント、母はカトリック。父と死別後、母にカトリックとして育てられる。だから危険な地域で信用された。

ヘイスティングス警視は、「私は警察官だ。信条によって同僚を差別することはない」と語ります。

1989年、爆弾で重傷を負う。オマリー巡査と2人、標的はカトリックの警官だった。

●夫を民兵組織に殺されたアンマリー・マクギリスの担当だった。息子を隣人に預けて情報提供した後、行方不明になった。

●アンマリーと親密だったという噂があった。ヘイスティングス警視は否定。(女性は妻だけと大昔、言ってたような)

●アンマリーは両手首・膝・両足首を撃たれた後、頭を撃たれて死亡

●アンマリーの息子がジョン・コーベット。10歳でおば夫婦の養子になった。

➡ヘイスティングス警視、このとき初めてジョンがアンマリーの息子と知って、泣いていました。

 
 
 
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■5万ポンドの賄賂

ホテルの部屋で見つかった茶封筒に入っていた。買収されていたヴィハーン・マルホトラ、キャファティ巡査部長の家で見つかった紙幣と同じ花粉がついていた。潜入捜査官を教えた報酬ではないのか? もちろん否定します。モファットは資料を渡しただけと嘘の供述

 

■動機は「H」捜査の目をそらすため

“キャディ”を捜査していたドット自身が“キャディ”だった。「H」を捜査しているヘイスティングス警視自身が「H」ではないのか、とカーマイケル警視正は追及します。一人の警察幹部が指揮しているに違いない、AC-12はヒルトンが「H」だったと結論づけた・・・と仮説だらけではあります。

 

■ジルが反撃。手続き上のミスを突きます

ホテルの部屋を捜索したミシェル・ブランディス警部補のミスを発見。捜索令状に記された根拠(32条)と実際に用いた18条5項は違うものだった。32条では拘留者も捜索に立ち会える(だと思う)、したがって見つかった証拠品(5万ポンド関連)は認められない、と。

➡数時間中断になりました。気の毒なブランディス警部補、カーマイケル警視正に「朝イチで異動願を出して」と言われてました・・・

↑ジルはあくまでヘイスティングス警視の味方だと力づけます。

 

【スティーブとケイト】関係者に再度、話を聞きに行きます

 

■ジョン・コーベットの妻、ステファニー

タトリーンの調査をもとに、ヘイスティングス警視との関係を探ります。ジョンの母アンマリーと関わった警官の話を聞いたことがあるという。

お互いに気持ちがあったんだと思う、と話すものの、名前は聞いていない。

ヘイスティングス警視とジョンの母の関係について「問題はほかに知る人がいたかどうか」と気づいた2人。偶然はあり得ないとして、さらにジョン・コーベットについても調べることに。

➡後に、再度ステフを訪ねることになります。

 

■マーク・モファット

ヘイスティングス警視が投資して失敗したケトルベル不動産のモファット元警部。穴埋めのために一時的な頭金10万ポンドを貸し付けていました。警察には資料を渡しただけと話します。ホテルの部屋で見つかったのは5万ポンドでしたが

➡「コーベットの名前には反応なし。でも5万ポンドの金額には反応した」とチェック。

 

■ナシの木作戦の指揮官、パウエル警視

ジョン・コーベット採用の経緯を聞きます。複数の候補者の1人だったといいますが、選考に関わったのは私だけじゃない、と。

関係者の名前を聞いて飛び出しました! ヘイスティングス警視が起訴されるまで残り数時間。緊急走行で捜査を急ぎます!

 

【ヘイスティングス警視】聴取再開。決定的な証拠が見つかります

 

ヘイスティングス警視が言う通り「はめられた」ことが明らかになります。カーマイケル警視正は「H」と決めつけてますから、もう追及の仕方が意地悪で容赦ないです・・・

■ジョン・コーベットの遺体に毛髪がついていた

DNAでヘイスティングス警視のものと判明! 殺す前に握られた情報を知ろうとして近づいたんだろう言われます。 

■発砲命令は証人を消すため

シーズン4最終回でヘイスティングス警視が射殺した人物かな、犯罪組織のロバート・デンムーアのことが蒸し返されます。同様に、ジョン・コーベットも「H」が誰かを証言できないよう殺そうとしたのではないか、と。

ヘイスティングス警視が「H」なら、ショッピングモールに現れなかったのは当然。別の人物なら情報漏れと言われても・・・答えようがないです・・・。

■ヘイスティングス警視しかいない時に使い捨て携帯が使われていた

AC-12近くで、犯罪組織の他の使い捨て携帯と通信が行われていたようです。

さらに、倉庫強盗や肝心のときに私用と職場の携帯が電源オフになっていたことも指摘されます。無線や直通回線があると主張しても聞いてもらえません。

■ノートPCを処分したのはリサ達との通信用ではないか

何度も聞かれて最後に話します。ポルノを見ていたそうです・・・。

ナイトクラブへの潜入捜査の調査で履歴が調べられることは分かっていたからかな。でも犯罪組織との連絡用でないと言っても証拠はありません。

■倉庫強盗の日、ブルーム巡査の応援に行かせた

ジョンと同じこと言われました。ハーグリーブス警視正の指示でウソの応援要請をした汚職警官のために人員を割いて取り逃がした

作戦自体の指揮はケイトにまかせたため(TFC=戦術武装指揮官)自由に動けたはず。

■リサ達との通信で同じ綴りのミスがあった

分析して「H」の文体を真似たと主張しますが、本人だからではないかと。忙しい指揮官なのにそんなことまで覚えられるはずがないと責められます。

■盗品の回収を急いだ

スティーブ達が盗品の倉庫を見つけたのはミンコビッチの携帯を特定したからですが、携帯を持っていたのは偶然ではないか、正体がバレかけたので回収を急いだんじゃないか。

 

・・・などなど、追及されても答えようのない事ばかりです。

(↑教えていただいたFor Christ's Sakeだ)

ヘイスティングス警視は「私は人生とキャリアを懸けて捜査してきた」と否定しますが、カーマイケル警視正は「コーベットは真相に近づいたから殺させた」として、殺害・強盗謀議・不正の容疑で起訴の準備をすると告げて終了しました。

 

スティーブとケイトが帰って来る!

 

聴取も終わり、カーマイケル警視正が検事と電話で起訴の打ち合わせをしている時に、ようやく帰ってきました!

ここからが怒涛の展開💥

相変わらずインタビュールームでの聴取の形ですが、今度は、ケイト&スティーブ VS ジルです!

 

ジルはヘイスティングス警視に「警視総監に言って追及の手をゆるめさせる。辞職してAC-12を解体すればいい」と味方だと言い続けますが、ケイトとスティーブが追及したのはジルでした!

 
 
 
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カーマイケル警視正も(立ったままで)聞かざるを得ません。

 

まとめると

●潜入捜査官の選考でジョン・コーベットを強く推したのはジルだった。

●選考の一か月前、ジルはジョンに、母アンマリーを裏切り、汚職警官のトップにいる「H」はヘイスティングス警視だと伝えていた

➡ジョンはこの時の会話を録音していました! さすがっ

●ヘイスティングス警視の毛髪は、ホテルで入手したようです。

●ジルは、使い捨て携帯(ヘイスティングス警視のものと思われていた)で組織に「緊急離脱 求む」と送りました。

 
 
 
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👆警備の警官が銃を取り出しそうになったとき、先にケイトが銃を向けます。

建物に着いたとき、警備が手薄だと気づいたケイト達は、事前に武装警官を手配していたのでした。ジルに助けは来ませんでした・・・。

 

被告側弁護士をつとめるジルは、重大事件で成功したら報酬をもらっていたようです(警察の法律顧問ですけどね。)

ヘイスティングス警視は、「君はジョンに真実を追っていると思わせた。母親のために正義を行っていると。君はウサギを放ち犬に食われるのを眺めていた」と非難しました。

 

あともうひと波乱ありまして。

なんと、移送前にお手洗いに行ったジルを、カーマイケル警視正の部下ティナ・トランター巡査がナイフで襲います😱手のひらを貫いていて見てて痛かった・・・

スティーブがトランター巡査を撃って(初めて人を撃ったそうです)2人とも搬送されました。

 

その後の登場人物たち

 

カーマイケル警視正はヘイスティングス警視でなくジルを司法妨害と不正行為で逮捕しました。自分の部下が汚職警官だったわけで、苦しい立場になってしまいました。

 

●法律顧問だったジルは証人保護を受けた。

リサ(ロチェンダ・サンドール)免責と証人保護を受け、若者の犯罪抑止のために活動。

供述したのは、組織のことのほか、リー・バンクスからは「裏切者がいる」とだけ聞いた。モールで周囲に警官がいると言ったからジョンが裏切者だと思った。潜入捜査官だとは知らなかった。殺したのはミンコビッチ

ただし、仲間は全員死んだというだけで、ライアンのことは話していません!

●ナシの木作戦は正式に打ち切り。シンドワニ警視総監とワイズ警視監補は「常態的な汚職は無かった」と記者会見。

モファットは贈賄で有罪。サムが逮捕します。裁判でカネは半額だと主張

●ケイトとスティーブは表彰されます。が、

ケイトと家族の溝は埋まらず。スティーブは相変わらず鎮痛剤を飲んでます。

●ヘイスティングス警視はジョンのお墓でステフに会います。5万ポンドを持って行ったようです!

●そしてライアンは、警察学校に入学しました😠面接で「サイモン・バナジー巡査のおかげで警官を目指した」と答えていました。シーズン1で名刺を渡した警官ですね・・・。

 

「H」の謎。ドットが伝えたかったのは「4人」?

 

聴取がきっかけで新発見がありました。シーズン3第6話↓

↑ 話せなかったのでまばたきで「H」を伝えたと思われていましたが、左手の動きがモールス信号で「4」ではないかと。短点(ドット)らしいです。

つまり、汚職警官は4人。ドット、ヒルトン、ジルとあともう一人いるのでは! という謎を残して終わりました。

 

~~~~~感想~~~~~

 

●ひたすらセリフの応酬なので、こんなに長くなってしまいました。ふう。

言葉の細かいニュアンスが分かるとさらに面白いのでしょう。追いつめていく尋問テクニックは見ごたえありました。

 

個人的には、カーマイケル警視正 VS ジルも面白かったです!

 

前半、手続きのミスを指摘するところ。遠回しな話題から切り込んで、穏やかな口調でバトルです。アンナ・マクスウェル・マーティンとポリー・ウォーカーですからね、逮捕前なので立場も対等ですから、怖かった~~

交渉テクニックとして参考になるかもしれません😓お仕事とか・・・

 

●AC-12の3人は苦しかったですね。

スティーブはジョンにシンパシーを感じたから、ケイトは規則を守って手続きをしたいからヘイスティングス警視とギクシャクしてしまったんでしょうけど、やっぱり真実を突き止めてくれました。

 

●時々でてくる(そしていい仕事をする)武装警官について。

 

銃を携帯しない英国で、アメドラのSWATのような武装警察官Authorised Firearms Officers(AFO)のチームについてはシーズン3で知ったのですが、今回新しい用語が出てきました。

TFC(戦術武装指揮官)とSFC(戦略武装指揮官)。ケイトは潜入してましたし、今シーズンもTFCとして活動していました。そういう資格や制度があるのでしょう。

 

シーズン6の写真だけ見ると防弾ベスト姿が多いので、武装して出動、も多くなるのかもしれません。

 

●今後の課題は、もう一人の汚職警官を探すライアンが警察に入る、ということですね。

 

●最後に、シーズン6について。

視聴率はとってもよかったみたいですが、そのわりには、8割が納得できーんと言ってるみたいです😅 事件のことだか「H」のことだか、きっとさらに新しい謎が出てきたってことでしょう。イギリスの人たち、辛口な気がするし💦

これはつまり、シーズン7の計画が動いているということかもしれません。しつこいですが、記事は読んでませんので分かりませんが・・・

 

 

引き続き、シーズン6のNetflix配信情報、待ってます♪

 

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