FOX放送中のシーズン22第6話「証言の力(The Long Arm Of The Witness)」ネタバレ感想です。
タイトルにしたセリフ「法の力を甘く見てはいけない(The long arm of the law can work both ways)」が格好良すぎる! 誰が言ったかは最後に。
前回に続き、法廷シーン中心。検事補カリシ、頑張りどころです。
友人役のウェントワース・ミラーが、S21第6話から再登場でした。
All rise. #SVU is back. pic.twitter.com/ksEHkbjHCf
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) January 21, 2021
- ~~簡単解説~~ レイプ常習犯の判事が、検事総長に立候補
- 主なキャストを通して事件を紹介します
- 動揺する被害者たち。最後の証言はホームズ
- 決め手は録音。そして判事が司法取引を覆す!
- ~~~まとめ感想~~~
~~簡単解説~~
レイプ常習犯の判事が、検事総長に立候補
権力者である疑惑の判事をどう追いつめるか、がテーマ。
始まりは、サフォーク郡でのレイプ被害の裁判でした。マンハッタンより重い刑を狙ったものの、証拠不充分で公訴棄却、被告は無罪。
被害者は貧しい奨学生。被告は有力者の息子でロースクール入学間近。弁護士は、懐かしのリタ・カルフーン。
富裕層に有利な判決を下したギャラガー判事は、ニューヨーク州検事総長に立候補します。
会見で「近頃は女性からの見境のない告発により、多くの若い男性が窮地に陥っています」と発言したギャラガー判事に、SVUは不信感を抱いています。
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サフォーク郡の判決の後、カルフーンが「ギャラガー判事は自ら本件の担当になった。出世のために利用できると思ったんでしょうね」と話していました。
ギャラガー判事の強力な支援者の一人は、サフォーク郡の裁判の被告のおじトム・バーンズでした。
ギャラガー、トム・バーンズと大学の同窓生だったのがホームズ検事補(ウェントワース・ミラー)。
カリシ(ピーター・スカナヴィーノ)とオリビア(マリシカ・ハージティ)がホームズを訪ねて話を聞いたところ、ギャラガー判事は大学時代にレイプをしていた事が分かります!
ここから被害者を探し出し、ギャラガー判事を追及することになりました。
当初、立候補を取りやめ判事を辞めるなら起訴しない方針でしたが、激しく拒絶されて裁判になります。
主なキャストを通して事件を紹介します
中心は、あくまでカリシ検事補 VS ギャラガー判事。
30年前から始まる複数のレイプ事件を通して、検事総長への道を阻止することが目標です。
時効となった事件であっても、法律家としての信頼性を問うための裁判でした。
■イザイヤ・ホームズ検事補
Isaiah Holmes。カリシのロースクール時代の同級生。フォーダム大の夜間です。
現在は、ブルックリンの公民権部門(Civil Rights Unit)筆頭検事補。ハドソン大学では奨学生で寮の厨房で働いていた。
90年代初め、ギャラガーにレイプされた友人エイプリルを救えなかったことをずっと後悔しており、カリシに協力します。
■チャールズ・ギャラガー判事
今回の被告。富裕層出身でハドソン大学→ハーバードのロースクール。
大学時代からイヤな奴でした。ホームズによると皿を下げたことは一度もなかったそうです。再会しても「我らが厨房係」と見下す。捜査を率いるガーランド警視正に対立候補の捏造だと抗議する。
取り引きを持ちかけたカリシに対して、その大学では出世は無い、資格を剥奪してやる、警官に戻ってもよくて交通整理などと言いたい放題。侮辱し、電話1本でキャリアをつぶすと脅す最低な特権階級オヤジでした。
■トム・バーンズ
やはり富裕層出身、ギャラガーと同じ学歴。大学時代、ギャラガーがレイプする女性の体を押さえつけるなど協力。
■被害者:エイプリル・キャリー
ギャラガーの被害者。貧しくホームセンターで働いている。
90年代初頭、パーティでお酒(+クスリ)を飲まされレイプされる。友達だったホームズに話した。
大学に訴える→大学が対処するから警察に通報するなと言われ→関係者に聴取した大学が口止め。退学。裁判では弁護士になる夢を断たれたと言うが、落第したのは自分のせいだと弁護士に責められる。
■大学のプレジデント・デュボワ
ハドソン大学の現学長。アフリカ系の女性。シャネルスーツを着たエスタブリッシュメント。ギャラガーの事件は就任前だが調査するとオリビアに約束する。結局、何もしなかった。
■大学の警備員
黒人男性。フィン(アイス-T)が話を聞き出す。警備の仕事は給料が良く、娘は学費免除。
当初は何も知らないと言うが、娘に説得されたらしく、30年前のメモをフィンに渡す。学内で調査に当たっていた。エイプリル以外にも被害者がいたことが分かる。
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■被害者:フランシーヌ
エイプリルの次のレイプ被害者。一見きちんとしたマダム風の女性。レイプされ、目を覚ますと取り巻き達が笑っていた。
強気で、30年屈辱を忘れられない。時効でもギャラガーの性質を証明できるといわれ証言。裁判では、自らの不貞で3度離婚した、信頼できないと責められる。
■被害者:カルメン
やはり30年前のレイプ被害者。ラテン系と思われます。現在は法廷速記者。
事件当時、奨学生だったから大学の指示に従った。今回は上司に脅され証言はとりやめる。
が、裁判より前にネット(たぶんバズフィード)の取材で告白したため、ギャラガー判事の性的不品行が広く知られるようになる。結果、ハドソン大学現役学生らの抗議運動につながったもよう。
■被害者:マヤ
比較的最近の被害者。大手弁護士事務所のジュニアパートナー。ブルックリンの貧しい地域で育った黒人女性。ギャラガーの犯行は続いていたはずと捜査したオリビア達が見つける。
10年ほど前、指導教授だったギャラガーに長期間、性的奉仕をさせられる。裁判では、報酬(落第せず、実習ができ、弁護士になった)と引き換えの売春だったと責められる。
証言したのは、フィンの「ブルックリンの黒人女性は皆、不当な扱いと闘う」から。
■弁護士カルフーン
おなじみの辣腕弁護士。ギャラガーの弁護を担当。女性法律家10名による、ギャラガー擁護の声明を発表する(全員白人女性で、元々裕福なタイプと思われる)。法廷では被害者達を厳しく追及。
■ルイス判事
ギャラガーの裁判を担当。黒人女性。
動揺する被害者たち。最後の証言はホームズ
全員、カルフーンの厳しい尋問に耐えられず、泣き出したり答えられなかったり。形勢は思わしくありません。
特権階級らしく自信たっぷり、負けると思っていないギャラガー、カーマイケル警視正によれば、冤罪被害者として同情を集める戦略らしく、証人の信憑性を突いてきます。
30年前の状況ではっきりしているのは、
・被害者は貧しい奨学生やマイノリティ
・大学が調査するといってもみ消した、警察に通報させず、泣き寝入りさせた
ということ。
カリシは、当時を知るホームズを説得、証言することになりました。
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語ったのは、大学時代の差別意識、ギャラガーの特権意識。
ギャラガー達にとって、自分は空気だった。人種や性的指向に悩んでいた、エイプリルにレイプの話を聞き通報すると言ったら、ホモだと言いふらす、電話1本で奨学金を止めさせると言われ断念した。
「あの時の沈黙は人生最大の過ちです。ずっと後悔してきた」
カリシに、この告発は検事補であるあなたにとって利益となりますか? と聞かれ、はっきり否定しました。マヤも同様でした。
決め手は録音。そして判事が司法取引を覆す!
この後、トイレでホームズとギャラガーが話をします。本音のギャラガー、ひどかった。
「底辺のクズめ。女にはレイプ願望があるからかなえてやった。ホモには分からん」などなど延々と💢
しかーし! この会話をホームズは録音していたのでした😮 そして判事は証拠として採用。
司法取引をし、選挙を降り、自宅軟禁1年となりました。政治的影響を考慮してのゆるい決定です。
最後の法廷でギャラガーはこれを認め、カリシも上の見解なので納得しましたと答えますが、なんと。
ルイス判事は「私は納得できません」
「裕福な家庭に生まれ、その特権と職権まで当然のように乱用してきた。女性たちの苦痛に見合う罰が必要です」とし刑務所への収監1年を決定!
取り引きしたと抗議するギャラガーに「判事はそれを覆せる立場だとご存知でしょう。法の力を甘く見てはいけないのです」
↓判決シーンです!
Things we didn't see coming: That. pic.twitter.com/83rjB4oXMN
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) January 22, 2021
このドラマではあり得ないほど珍しいことに・・・拍手が起こりました😤 まばらだったので被害者達だけだったと思いますが。
オリビアもカリシも驚いてました。
最後、オリビアはカルフーンに、なぜあんな奴の弁護をしたの? と問い、カルフーンは答えます。「今後どんどん上訴されて手に負えなくなるわ」。オリビアは「だから闘い続ける」といいますが「それには立場が必要。今後、脇に追いやられるわよ」と警告して終わりました。
This case is officially closed. Thanks for spending another Thursday night with the squad! pic.twitter.com/j6y6qWVYqv
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) January 22, 2021
~~~まとめ感想~~~
●異例中の異例です。スカッと拍手付きの判決🎊
有力者の過去のレイプ、というのは以前もあったし他のドラマでも時々出てくるケースですが、今の時代を反映して女性判事が決着させました。
格好良かったというか、時代は動いているのだな、と実感しますね。
The long arm of the law can work both ways は法の強い力は双方に及ぶ、という事でしょうか。取引にもそれを覆す決定にも、ということかな。良い方、悪い方(職権乱用)かもしれません。
それほど、判事の権限と責任は大きいということでしょうし、被害者も黙っていてはいけない。
30年経ってようやくこういうケースが出てました。ホームズのような性的マイノリティも今より厳しい状況だったわけで、でもまだまだ課題は多いですが・・・。
●アネット・ルイス判事を演じたのは、Adriane Lenox。
ブロードウェイ中心に活躍していて、トニー賞受賞歴もあるベテランです。公判通してずっと知的で毅然とした格好良さでした!
Judge Lewis is played by the talent @AdrieaneLinox, who has originated many roles on Broadway, keeping #BroadwayOnSVU going! #SVU pic.twitter.com/K9QOqGmfy5
— Wolf Entertainment (@WolfEnt) January 22, 2021
大学の学長が動いてくれるのではと期待しましたが、結局行動は起こさず。対照的でしたね。 厳正で公平な判事は強い。
●ギャラガー判事(とお友達)、本当に気分悪かった😠 生まれた時からずっとこの価値観だった、現実にそういう人はまだまだ沢山いるってことですから。
特権意識のかたまりで支援者も多くて妨害工作を心配しましたが(現実にはあるんでしょうけど)、ここまでクロと判定されると政治リスクが大きいのでお友達も一斉に手を引くんでしょう(反省して支援を止める、ではない)。
学閥の話も特権意識のひとつでした。
「LAW & ORDER」本家だったと思いますが、公立大学出身の検事補もいた気がします。優秀かつ使命感をもって取り組む検事・判事(公務員)です。
●そして久しぶりのカルフーンさんでした!
シーズン14以来、計6シーズン・14エピソードに出演中。大昔、エド・タッカーと付き合っていたような・・・。検察出身の弁護士で、優秀、というかかなり強引なライバルですね。この人が出てくるとヒヤヒヤします。
演じるエリザベス・マーヴェルは、「ホームランド」「ハウス・オブ・カード」「パーソン・オブ・インタレスト」など。存在感ある女優さんです。
↓2016年。
.@mariska and Elizabeth Marvel looking quite marvelous on the #SVU set. https://t.co/3fvccc7X5U pic.twitter.com/Lj8ASRgVxH
— 𝐋𝐀𝐖 & 𝐎𝐑𝐃𝐄𝐑 (@lawandordertv) September 13, 2016