カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「LAW & ORDER: SVU 性犯罪特捜班」シーズン22Ep8 感想 ~ 被害者の “その後” 3つのケース

FOX放送中のシーズン22第8話「過去からの脱却(The Only Way Out Is Through)」ネタバレ感想です。

 

心に傷を負った犯罪被害者、3つの事件のその後が描かれます。

 

会話劇や過去のケースが多いのは、コロナ禍まっただ中で撮影の制約が大きかったからだと思います。

でも今回も、見ごたえありました😤
S21Ep5「真夜中のマンハッタン」と同じチームの制作で、同じ3人の脚本家が関わったそうです。

 

本国では2021年2月放送です。

 

 

~~~簡単解説~~~

 

軸になるのは、被害者 VS 加害者

それぞれの関わり方を通して、裁判が終わっても被害者にとっては終わりでないことが描かれます。

 

【Case 1】21年前、妹の目の前でレイプされた姉

 

2000年の事件です。関係者は

アニカ・コールマン/11歳のとき、銃で脅され3時間レイプされた
イマニ・コールマン/9歳だった妹。叫んだら撃つと言われレイプを見せられた
ダリル・クラーク/犯人。幾つもの罪で取引して35年の刑で服役中

 

姉妹の母がコロナで亡くなり、遺品から当時の事件の記事が出てきます。

ダリルの罪状にアニカ&イマニの事件が含まれていなかったことを知り、姉妹が当時のクレイゲン警部とマンチ刑事を訪ねてきたのでした。

 

当時を知るオリビア(マリスカ・ハージティ)が対応できず、ロリンズ(ケリー・ギディッシュ)が2人を担当。

 

アニカ達の母は、証言台に立たせたくなかったと思われます。ダリルは、アニカの事件で起訴しない代わりに取引に応じたらしい。

ですが、アニカは11歳だったけど闘えた、あの時の気持ちを犯人に伝えたいと言います。

 

■修復的司法を適用し、加害者と直接話す

(↑修復的司法はずっと取り上げたかったテーマだそうです)

 

オリビアによると、被害者と加害者が対峙する修復的司法は、通常は性犯罪には適用されません。が、唯一の方法だとしてロリンズが手続きを進めることになりました。

 

本来なら時間がかかるものの、アニカは自分達が狙われた理由を知りたい、時間がないと急ぎます。居ても立っても居られなかったのでしょう。

 

ダリルは粗野で卑劣な犯罪者でした。面会に応じたのは暇つぶしだと言います。

アニカがあの3時間で私は幼少期を奪われたと叫んでも、当時の日記を読んで気持ちを伝えても、ダリルは白人しか相手にしない、妹は処女のままでラッキーだったな、など言いたい放題で反省のカケラもありません💢

 

■姉妹はお互いの気持ちを、初めて吐き出す

刑務所で暴動が起こり、一時中断。ダリルは房に戻され、その間に姉妹で話をしました。

 

姉妹はそれぞれにお互いを思いやっているようで、分かっていなかった事に気づきます。

 

●妹イマニの思い

姉と違って幸運だと言われ続けた。が、あの恐怖は一生忘れない。今も姉さんが帰るまで眠れない。レイプされるのを黙って見ていたと思われている

母にとって、私を守った姉さんは英雄。姉さんの希望はすべてかなえた。ママの目は私を責めてた。私も苦しんだのに誰も慰めてくれない。私がレイプされればよかった。

 

●姉アニカの思い

母は何も話すなと言い、私は自分を見られない。今もバーボン臭い息を思い出す。私は妹に触らせなかった。

ママは同情、哀れんでいただけ。守れなかったから証言させなかった。

レイプされている間、ずっとあなたを見ていた。あなたが祈ってくれたから乗り越えられた。    

 

お互いに、私が悪かったと言いますが、ロリンズが「悪いのは彼よ」。姉妹は、もう彼と話す必要はないと言いました。

 

【Case 2】連続レイプ犯が仮釈放を申請

 

登場人物は

●ノラ・アンダーソン/2000年のレイプ被害者
●ジミー・ガン/連続レイプ犯。模範囚。学位をとり教会、断薬会で活動。長年、被害者に謝罪の手紙を書き続けた。仮釈放の審査会直前

 

■面会で被害者は思いを伝える

 

牧師の指導のもと、更生したように見えるジミー。

当初、ノラは審査会での証言を拒否していました。「あの男が変わるわけない」と思っていましたが、手紙の束を読み、面会に同意します。

 

責任逃れはしない、ただ謝りたかったというジミーにノラは話をします。

事件のとき、いい人に見えたジミーにだまされたわけで、ノラは「あれから自分を信じられない。生きる指針を失った」

 

ジミーは内省を重ね、自己分析を繰り返した。許してくれるか? と言います。ノラは心の準備ができていないと答えます。

 

カリシ(ピーター・スカナヴィーノ)フィン(アイス-T)は、ジミーは釈放されたらレイプを繰り返すと確信しています。思うつぼだ、答えるなと説得しますが、ノラは区切りをつけたいと審査会に同意しました。

 

■審査会で犯人の真意に気づく

 

審査会の問答でも模範的だったジミー。

ですが、途中でノラの言葉を利用したことに気づきます。

ジミー曰く「被害者は自分が信じられない。私がそうさせた。生きる指針を奪ってしまった」

 

「7年経ってやっと人を信じたらバカを見た」とノラはフィンにぶちまけます。

審査会場に戻り「彼は私を壊した。二度と元にもどれない。まだ壊れていない女性のために釈放すべきではない」と証言し、仮釈放のために欺いたとして申請は却下されました。

 

【Case 3】キャットのいとこがデートレイプの被害に

 

いとこ登場! 似てます。お嬢さまだそうです。 

●リリー・バスタニ/キャットのいとこ。有名人にDMを出しデートに。
●エグゼビア・ガルシア/加害者。SNS界のビリオネア

 

有名人の家に行って高級な酒や食事を楽しんだ後、やめてほしいと言ってもレイプされ、キャット(ジェイミー・グレイ・ハイダー)に相談しました。

 

■証拠は無い。自白のためにおとり捜査

 

証拠がないので任意同行は難しい案件です。

「金持ちは見逃すの?」と不満げなキャットにオリビアは「メールに返信して呼び出し、犯行を認めるよう仕向けるの」

 

リリーはやる気満々で、おとり捜査に高揚しているように見えます。

 

問題点を整理するカリシに対してキャットはまた不満を募らせ、カリシは「何を言っても怒らせる」とフィンに愚痴ってました。

↓ノラの話から始まって

 
 
 
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↑じゃあ何も言うなのアドバイスがフィンらしい。

 

結果的にはおとり捜査、成功!

エグゼビアはレイプと認めますが、リリーはエグゼビアに言葉巧みに誘導され、交際をやり直す気になってしまいます・・・

そこでキャットが先走って突入→逮捕です!

 

■リリー、訴えを取り下げる

 

ネットで抗議され社会的制裁を受けたから、と訴えを取り下げました。

 

家族のために頑張ったキャットに、「君は悪くない」とあきらめるよう説得するカリシ。

 
 
 
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キャットはリリーに話をしようとしますが、リリーの気持ちがエグゼビアにあるのは一目瞭然。彼は心から謝ったわ、これでうまく行く、と満足気でした。

 

~~~まとめ感想~~~

●エピソードのラストは、オリビアがNYPD女性警官賞を受賞することになったというもので、フィンが受賞にふさわしいと力づけます。で、誰かが授賞式に来るかも、と言ってました。

 

オリビアがジェイボン・ブラウンのことが頭を離れないと言っていたのは、S22Ep1のことですね。再登場があるかもしれません。

 

●カリシが「君は悪くない」と言ったとき、「ありがとう」と言えるのがキャットのいいところ。

カリシは babysit にくたびれてるみたいですが、いい先輩ですね😅

 

水掛け論(He said, she said)になると話していた時も、何で「He」が先なの、と突っかかるキャットはもうお約束。カリシに八つ当たりしているように見えます。

でも暴走しながらも、素直に反省するからウザくならないんだな、と見守りたいです。

 

●しかしリリーは心配です。DV男に操られそう。

 

レイプされた時、11歳と9歳だった姉妹は、お互いの気持ちをやっと理解することができました。母親も話し相手になっていなかったようで、今ならもっとカウンセリングなどでケアできるんだろうなと思いました。

 

ノラの言葉は象徴的でしたね。「私は壊された」

演じた Jane Bruce はシンガーソングライターでブロードウェイでトニー賞ノミネートされた実力派のようです。

 
 
 
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●「修復的司法」被害者側が心情を伝える形を思い浮かべますが、性犯罪では例外的というのも分かる気がします。

↑修復的司法では、犯罪を単なる法律違反ではなく、被害や不正行為に対処する対応の仕方ととらえます。意思のある当事者なら、最善の方法は、当事者同士がその被害や解決方法について話し合うことです。(直訳すみません)

 

被害者が事件を乗り越えるのが目的でしょうから、よりよい形で機能することを望みたいです。

今回のSVUメンバーのように、被害者に寄り添う制度になればと。対面だけで解決するわけないので、色々な形を知りたいなと思いました。

 

●さて、いよいよ次回、ステイブラー(クリストファー・メローニ)登場❗

↓は、シーズン1~22の懐かしのオリビア動画です。

 
 
 
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