カノンの海外ドラマ漂流記

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ドラマ「ライン・オブ・デューティ」シーズン1 Ep1 感想 ~ キャスト紹介を通してあらすじをおさらい Netflix

英国の国民的ドラマといっていいのではないでしょうか。

初めて見た時は、地味だわ、最後まで視聴できるかしらと心配したものの、見事にはまりました!

 

正義やら社会やら倫理観を描いているのですが、何よりストーリーの完成度が素晴らしい! からまった伏線が驚きとともに解き明かされます。緊張感をともなった演出が続き、シーズン観終わると心地よい疲れが待っているドラマ。1話完結でなく1シーズン6話通したストーリーなので、ちょうどいい長さだと思います。(シーズン1のみ5話)

 

仰々しい煽りも無し。淡々とスピーディに複雑にズンズン展開して、思いもよらない結末にたどり着く名作です。吉村昭の小説の味わいを思い出してしまいました。

 

 

メインキャストはシンプルにこの3人。ロンドン警視庁のチームです

シーズン5配信問題でもご紹介した3人が主役。ロンドン警視庁のAC-12という汚職捜査専門チームです。

正式な邦題は「ライン・オブ・デューティ 汚職特捜班」。シーズン1は2012年BBC2で公開。現在シーズン5まで完成。シーズン6の撮影がコロナの影響で中断している状況です。

 

そういえば、昔の推理小説では「スコットランドヤード」という愛称が馴染み深かったですが、いまは色んなドラマ・映画で「ロンドン警視庁」が一般的になった気がします。Metropolitan Police Service ですね。元の庁舎がグレート・スコットランドヤードという通りにあったらしく、今もニュー・スコットランドヤードと呼ばれているそうです。

 

では、第1話 “A Disastrous Affair” のネタバレ感想+キャスト紹介です。

テッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー Adrian Dunbar)

まずは、チームリーダー。

私生活では悩みを抱えつつも、父親のようにチームをまとめる頼れる上官です。スティーブをAC-12に引っ張ります。

Adrian Dunbar - Actor (cropped)

1958年、北アイルランド出身。多くのドラマ、映画で目にする紳士なお方ですね。1980年代からたくさんの映画・TVドラマ・舞台で活躍する有名俳優。

 

スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン Martin Compston)

元テロ対策班。ドラマ冒頭、狙撃チーム(アメドラのSWATみたいな突撃エリートチーム)の作戦が失敗し、左遷のような形でAC-12に異動となります。隠蔽しようとした上官(「GOT」のアリザー・ソーンことオーウェン・ティール。安定の黒い役です)に納得いかず異動した先がAC-12だったわけですが、他に行き先が無かったというシビアな組織事情ですね。

なんだか普通のとっつぁん坊やだわ、リアル過ぎて地味なドラマなのねと思ったけど、だんだん可愛く見えてくるから謎です。めったに笑わない真面目で正義感の強い警官ですが。(というかこのドラマ、みんな笑ったり冗談言ってる暇が無い)

 
 
 
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映画「SWEET SIXTEEN」(2002)でケン・ローチに見出されました。1984年スコットランド生まれ。元プロサッカー選手という変わり種です。最新のドラマ「The Nest」ではソフィ・ランドルと夫婦役。

 

 

 

 

ケイト・フレミング巡査(ヴィッキー・マクルーア Vicky McClure)
 
 
 
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個性派で印象的な美人です。1983年ノッティンガムの出身。クールな潜入捜査のプロフェッショナル、現場でいちばん走ってるのはこの人かも。

 
 
 
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10代半ばから映画やTVで活躍している実力派です。

 

このマーティン・コムストンとヴィッキー・マクルーアは5月8日と誕生日が同じ。ヴィッキーが一つ年上です。プロデューサーのジェド・マーキュリオ Jed Mercurio は二人のことを “Line of Duty twins” と呼んでます。

↑プロモーション用の画像らしい。

シリアスで緊張感の持続するドラマなのに、皆さんとても和やかで仲良しです。

 

毎シーズン、豪華ゲストがからみます。シーズン1の注目はこの2人

トニー・ゲイツ警部(レニー・ジェームズ Lennie James)

まず、ロンドン警視庁のエースです。

毎年のように表彰されるスター警察官で、華やかでモテて魅力的な人物。美しい、できた妻をもち、名門校に通う可愛い姉妹の父親です。今回、不自然な検挙率などから汚職捜査の対象になります。メインのお話は、汚職かどうか? だけでなく、他の事件との関連に広がります。

 

人望があるのに困った男でした・・・。優秀で自信があるがゆえに策におぼれてしまう人、でしょうか。

Lennie James by Gage Skidmore

1965年、ロンドン生まれ。「ウォーキング・デッド」モーガン・ジョーンズ役で有名ですね。

 

ジャッキー・ラバティ(ジーナ・マッキー Gina McKee

ドラマ「ライン・オブ・デューティ」ジーナ・マッキー IMDbより

IMDbより

もう一人が、会社社長でゲイツの不倫相手、ジャッキー。

ゲイツに甘える可愛い女か、と思いきや、なんとひき逃げ事件を起こしてしまいます。当然、ゲイツに頼んで穏便にすませてもらおうとする。ゲイツも何とかしてあげようと考え過ぎて動いてしまう。

 

でもこの人が演じるんだから、男に頼るだけのヤワな女とは思えません! 映画・TV・舞台で大活躍の名女優。

1964年、イギリス・ダラム州ピーターリー生まれ。1988年、ケン・ラッセルの「白蛇伝説」で映画デビュー。最近のドラマでは、「ボディガード -守るべきもの-」のアン・サンプソン「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」カテリーナ・スフォルツァなどでおなじみ。一筋縄ではいかない女です。きっと。

 

 

 

 

脇役おじさま方もクセ者揃い。今回限りではありません

ケイトがゲイツ警部のチーム TO-20 に潜入します。ゲイツチームがまた一見地味ながら味わい深いおじさんばかりでした。英国ドラマですね。

 

まず、マシュー “ドット” コッタン(クレイグ・パーキンソン Craig Parkinson)

ベテラン巡査部長で飄々としたつかみどころのない人物。ですがですが、この後のシーズンにもからんでくるワケあり人物です。

Craig Parkinson (42218623922) (cropped)

 

同じくゲイツチームのナイジェル“ナイジ”モートン(ニール・モリッシー Neil Morrissey)

足を負傷し、杖をついている巡査部長。検挙率がいいからレクサスを支給されたとケイトに自慢げに語ります。気のいい先輩のようでいてやはり隠し事アリ。相棒ドットとともに忘れてはいけないメンバーの一人。

 

ゲイツ警部、確かに自己顕示欲が強くて出世欲でいっぱいなんだけど、みんなある程度同じですよね。よき家庭人で優秀賞を何年も受賞して名誉もある、愛人も美人、チームメンバーの面倒見もいい。

ですが、悩んで悩んで愛人ジャッキー・ラバティを守ることに心を決めます。被害者情報のファイルを抹消することを選ぶわけです。これは明らかに不正ですが、ドラマ5回分にしては小さい。単なる汚職・不正調査のドラマではないぞということが分かります

 

ゲイツの苦悩を見ていると、気の小さい悪徳警官かな? 自分の会計士をひき逃げしたジャッキーのほうが問題では? 担当している麻薬捜査で殺人事件発生って、こっちのほうが大ごとでは? と問題続出です。

 

第一回から濃い出来事が立て続けで今後が読めないドラマという印象です。地味なのに(しつこい)続きが気になって仕方ないドラマでした。次回、事態が動きます。

 

最後に名物プロデューサーと「ボディガード」コラボ

もう一名、書いておきたいのが制作のジェド・マーキュリオ Jed Mercurio。監督やプロデューサーには詳しくありませんが、イギリスではとても有名なのではないでしょうか。

この名作の生みの親で、脚本家・監督・プロデューサーで、意識したらいろんな記事で目にする名前でした。良質ドラマのヒットメーカーといっていいと思います。

1966年、ランカシャー州ネルソン生まれ。医学部卒業、医師として働いたあと空軍に入り、BBCで医療ドラマを書いてデビューしました。

 

 

最後におまけ動画です。ジェド・マーキュリオが同じくプロデューサーをつとめた「ボディガード   -守るべきもの-」とのコラボ動画をご紹介します。

チャリティイベント「Red Nose Day」2019年用のコミックリリーフとのこと。エイドリアン・ダンバー、リチャード・マッデン、両方で重要キャストだったキーリー・ホーズが出演。もう一名のMa'am も有名な女優さんですよね。きっと。

 

#3

 

 

Line of Duty